<Lust Mausoleum>

01

スカートは嫌いでした。
下から無防備に曝される内ももが不安でならないのです。
だから制服を着なければならない学校は嫌い・・・
どうして女子がズボンを選択できないのだろう。

足下に小さく蠢くものを確認すると、それがどんなに無害なものでも、
思わずギュッと足を閉じる。
なんだかそれが、するすると登って来て、私の中に忍び込んできそうな気がするからです。
だから私は、常日頃から、体を頑にしていました。
一度試しに誰もいない自分の部屋で、灯りを消して、全裸のままベッドに横になったことがあります。
仰向けになって、ゆっくりと足を開いてみる。
がに股で、端から見たらきっとどうしようもなく格好悪いポーズ。
でも、それをしていた時、言葉では言い表せないような心もとなさ。
不安や畏れ、肉体だけに限らず何かが開きっぱなしになってしまっている危機感。
そんな想いですぐに服を着直したのを鮮明に憶えています。

家でも、学校でも、過剰な防衛本能は、やはり私を頑にしました。
自分を曝けたら、そこから温く温く犯されてしまう。
極論でしょうが、そう考えて疑いませんでした。

人間は、どうして服を着るのでしょう。
逆説的ですが、服を着る文化がなければ、
或は着なければならないという強迫観念は持たなかったかもしれません。
着衣を義務付けられて、私達の肉体は退化してしまいました。
服を着なければ健康を保てず、靴を履かなければ外を歩けない、
そんな脆弱な身体になってしまいました。
いずれにしても、私達は衣服を着ている以上、裸は禁忌になったのです。

裸とは肉体です。
私達が公の場所で裸になるなら、それは猥褻罪となります。
つまり、私達は生まれながらにしてワイセツを有し、
生涯それを持って生きなければならない。

私は私の罪を精一杯隠して暮らしていました。

きっと誰も私を視ていなかったでしょうが、常に某かの視線を意識して、
隙を作らないようギクシャクしていたと思います。
テレビや雑誌に載っている女性達は、総じて視られることを武器にしているようで、
逞しく思う反面、この人達は、他人に「いわく」をつけられて汚れてしまっている
・・・などとも考えます。
潔癖なのかもしれません。
自分では、自分が汚れたくないと意固地になっているような自覚はないのですが、
これまでの態度からすれば、やっぱり汚れるのが嫌で、
汚れるなら、もう少し奇麗に汚れたいなどという矛盾めいたことまで浮かんでくる。

過度な不安感はいつしか冒険も挑戦もない、石橋を叩くだけの私を作り上げました。

塾に通ったことがあります。
でも二度行ったきり通うのをやめてしまいました。
きっと大人達は、私が面倒くさがり屋だと思ったかもしれません。
でも違います。
その塾に来ていた男子から、髪が奇麗だと言われたんです。
同い年の男子が、そんなことを口にするなんてまるで思ってもいなくて、
それから授業中もずっと、その男子に髪を視られているんではないかと・・・
まるで裸を視られているような恥ずかしさに捕われて、
行くに行けなくなってしまったのです。

02

まだ幼い少女の私が、何かを誤ったのでしょうか?
無意識のうちに、許されざる罪を犯したのでしょうか?
裕福な家庭で家族に愛されながら何不自由なく暮らしていました。
先ほどお話しした塾での一件でお察しいただけるとおり、
異性とほとんど出会う事のない無菌状態で
大事に育てられた世間知らずの箱入り娘です。
これから経験するであろうまだ見ぬ素敵な人との恋愛に夢見る日々。
そう、一般論からすれば、私には輝ける未来の希望ばかりで、
何一つ後ろめたい陰鬱としたものなどないはずなのに・・・

そんな私が邪界に足を踏み外したのはまったく唐突でした。
ちょっと遅めのお風呂に入っている時。
大好きな子猫ばかりが出て来る短編小説を読んで夜更かししたのが
その時分になって眠気を誘い、私は湯槽の中で微睡んでいく・・・

最初の違和感はお尻の下から感じるぬかるみでした。
浴槽の底であるはずなのに、何かヘドロのようなものが沈殿している。
次に湯の温度が下がっていること。生暖かく水質は重くまとわりついて濃い。
最後に気付いたのが、自分が頭の先までどっぷりと湯に浸かっていることでした。
我に返った私は、驚いてもがき水面(みなも)を目指します。
焦燥してやっと立ち上がると、そこはぎりぎり足がつくくらいの深さで
空気にありついた私はとにかく浅瀬へと移動しました。

何が起きたのか?
なぜこんな場所にいるのか?
空を見上げると、見た事も無い色の不気味な深淵が広がっている。
岸まで辿り着いたところで振り返ると、我が眼を疑いました。
今自分が浸っている茫漠とした広い湖の向こうに、何かが身をくねらせている。
生き物のようですが、自分の視力による遠近感に疑いを持つ程巨大なんです。

身の危険を感じ、すぐさま陸へ上がると、自分が一糸纏わぬ、
生まれたままの姿であることに気付いて、思わずその場にしゃがみました。
裸で外にいるなんて、人前に肌を曝す事になっちゃう。
こんなところを誰かに見られたら・・・もうお嫁にいけない!

そんな、今から思えばまったく悠長なことで震えているたんです。

“ボト…”

背後で何かが跳ねるような音がしました。
続けて今度は私の真横に何かが落ちてきます。
びっくりして振り向くと、そこには白く半透明の、
丁度サッカーボールくらいのものが落ちていました。
それに恐る恐る視線を落とすと、ボールは突然開き、うねうねと細かい足を蠢かせ、
その正体を見せつけてきました。
それは肥満した恐ろしく大きなイモムシだったのです。
イモムシは赤ん坊のような鳴き声で私にまとわりつき、
風呂上がりの石けんの香りがほのかに残る私の皮膚へむしゃぶりついて
ぢゅうぢゅうと音を発てながら吸い始めました。
生まれて初めて体感するおぞましい触感に、裏返った声を上げ、
私はよろめきながら隣に屹立する巨木へもたれかかります。
すると・・・

“ボトボトボトボトボト!”

樹の上から大きさの不揃いな肥満したイモムシ達が大量に振ってきました。
イモムシは無数に生える足を使って私の体に張り付くと、手当り次第に吸いだします。
特に敏感な私の乳首を探し当てた二匹においては、虫らしいヘラのような舌まで駆使して
まだ出もしない母乳に授かろうと必死に吸っていました。
私は自分でもどこから出しているのかわからないほど大声で悲鳴を上げ
わけもわからず一心不乱に走ったのです。
あてもなく、ただここから逃げ出したいがために・・・。
途中、剥がれ落ちたイモムシを踏みつけると、ぶくぶく肥満した表皮を破って
ぐちゃりと内蔵が飛び出しました。それでも死なない芋虫はしばらく私の
足にしがみついていたのですが、やがて力つきて全匹はげ落ちました。
私も走り疲れ、暗い森の深部でへたり込む。
森は異様に黒く、食虫植物の放つような甘い異臭を立ちこめています。
濃厚な霧が視界を遮り、どこからともなく動物の奇声が聞こえるのですが、
どれも人間の成人男性が正気を失って動物の声色を真似ているようなものに聞こえました。
生い茂る木々は植物というより肉のオブジェのようで、
ねじれて他の木々と絡まり、ところどころから赤いあぶくを吹いている。
グロテスクに張り巡らされた根は、老人の手の血管をイメージさせます。
さらに、そこら中に生えている不均等な男性器の形をした肉キノコと、
奇妙で気色の悪い姿をした小型獣たち。

疲労で動けなくなった私は、呼吸を整えていく。
気持ちが落ち着いてくるほど、今置かれている自分の環境に青くなりました。

少しでも冷静さを取り戻そうものなら、心砕かれて発狂を余儀なくするでしょう。
だから、落ち着きを取り戻すにつれて、考えまいと、理解などしまいと努めました。

 

更なる異変に気がついたのはそれから1時間と経たなかったと思います。

 

・・・・・・

おかしい。

この世界が異常で非現実的なのはわかります。

でも、今感じている、この擦れて熱帯びたような感情は何だろう?

恐怖と紛れて確かに内側から込み上がってくる。

自分で自分が発汗し、頬が淡く紅潮しているのがわかった。
この胸の鼓動は走っただけが理由じゃない。

その時

私は、

私はまさに恋をしてときめいているのと同じ状態にありました。
そのキュンと絞まる切ない胸の痛みを自覚した刹那、
私は初めてこの世界に来て言葉らしい言葉を口にしながら泣いたんです。

「ヤダヤダ! こんなの、こんなのイヤァァァァァッ!!!」

いやがうえにも吸わされている怪しい霧のせいなのか、
どこからともなく聞こえる彼等の気がふれたような奇声のせいなのか、
私のまだ男を知らない無垢な肉体が、情欲に火照ってたまらないことを自覚し、
死にたくなるほどの不快感に苛まれながら、必死に耐え難きを耐えました。

呼吸が大きくなるにつれ周りの肉キノコの類いが太くそそり立ち、
ぬめった地面が温度を上げて脈打ちながら一層に厚い霧を吹く。
それは、この世界全体に「雌(メス)」がここにいることを知らせているようでもありました。

03

発情期。

これは人間の思春期などという淡い性への目覚め等とは比べ物にならない。
もっと原始的な、根源的で、動物的な生理反応。
耳鳴りと過呼吸、玉のような汗が浮かび、全身が淡く桃色に染まる。
瞳は潤んで、気がつくと犬みたく舌を出し、微かに涎を垂れている。
胸がキュンキュンと痛み、止めどもなく堪え難い感情が沸き上がる。

これはつまり、この世界における大きなシステムの一環なのです。

この時の私はまだ、孕ませようと手ぐすね引いてる醜悪なバケモノ共の存在を
認識してはいなかったのですが、既に肉体がその準備をしていたことは、
薄々気がついていました。

この気がふれた世界で、バケモノ共の胤(たね)付けが始まる。
雌(おんな)は、ひたすら恐怖と嫌悪とで震え続ける期間。
発情期。
彼等から逃げ隠れするだけでは済みません。
発情中は込み上がる激しい性衝動を四六時中押し殺していなければならないのです。
本能が警鐘を鳴らす。理性が拒絶していました。
それでも沸き上がる劣情に歯止めが利きません。

犯されたい。
まぐわりたい。
子宮にねっとりと精子を押し込まれて、
受精して、
確かに孕んだという実感を得たい!

赤ちゃんが欲しい。
腹の中が寂しくてしくしくする。
この乾きが埋まるなら・・・

もう、何者の仔でもかまわない!

私だって分っています・・・
正気じゃない! こんな感覚!
彼等と関係し、のみならず身籠ろうなどとは人間のすることじゃない。
畜生にも劣る所業だ!

でも、これは理屈や理性で抗えるような生易しい衝動ではありません。

熱く蜜をしたたらせる股間を指で慰めようとしながらも、
一度触ったらもう止まらなくなると察して、うずくまったまま金縛り。
断言しますが、この肉体の際限無しな乱れと荒ぶりは、
どれだけ強靭な精神力も持つ人であろうと逆らう事はできません。
子宮がある限り、妊娠できる肉体がある限り、例外はないのです。

 

生き地獄が始まりました。

この世界へやってきてから最初の一週間は、私が人間の尊厳を失わずにいれた
最後の七日間です。

発情期が過ぎ去るのを歯を食いしばって耐えながら待ちました。
また、きっとこの悪夢が覚めると信じて、
或は誰かが助けに来てくれると信じて、
根拠薄弱な希望にすがりついて祈ったのです。
途中、何匹もの醜悪な化物と出会い、それと交わりたいという願望を振り払って
ただ何も考えず脚を擂り粉木のようにして逃げ続ける。
どこまで行っても変わらない、昼も夜もない杳とした混濁の世界の中に幽閉されたまま、
震えて来ることのない「救い」待ち続けました。

味の無い木の実や、打ち上げられたいびつな魚類を無理矢理口に押し込んで飢えをしのぐ。
身に纏えるようなものは何一つなく、常に全裸のまま・・・。
文明の痕跡がまるでないだけに止まらず、僅かに知性のある動物さえ皆無。
裸でいることがこんなに不安なことだったなんて知らなかった。
あのベッドの上で脱いで寝そべったときの何倍も、心に負荷がかかっている。

それでも、裸を視られても、辱められてでも、
自分以外の人間に会いたい!

 

少し眠って目を覚ますと、少女のすべやかな肌を恋しがってか、奇怪な生物たちが寄り添い、
張り付き、まだ発育途中の胸の膨らみに吸い付いて、無防備な穴に潜り込もうとする。
その都度悲鳴を上げて、時には恐怖と嫌悪で嘔吐し、失禁し、振り払うため無我夢中で暴れました。

発情期中はとくに皮膚感覚が過敏になってて、
あのような生物達にちょっと身体の上を這われるだけで、
感じ濡れてしまいます。

浅ましい淫乱な自らの反応を嘆き、そのため常に張りつめて自制に努めるのです。
恐らく体感する時間でいって二日ばかりした頃までは・・・。

だけれど無慈悲な邪界の摂理は、
突如、私の体に悲劇的な変化が起きました。

生理です。

04

常に時間の感覚は正確ではありませんが、発情期はおよそ七日の周期があります。
ただこれは、生理の一日を除いて、あとの全ての日が
キケン日であるという、どうにもできない「気付き」にすぎないのですが・・・。

とにかく、この世界に来て最初の経がありました。

この世界に閉じ込められるより前、私の生理は月に一度の周期でやってきて、
それも必ずしも安定した規則正しいものではありません。
ちょっとした体調不良やストレスなんかでズレたり来なかったりすることもある。
でも、この世界では週単位で驚くほど確かにそれは来る。

人間の世界にいた頃では味わったこともない重い重い鈍痛で沢山の血が出ます。
食欲もなく、全身がだるく、例えようのない喪失感に絶望する。
この喪失感については後で説明するとして、
その日の終わりにもなれば苦痛も少し和らいでいました。
そして、ぷちぷちと下腹部深くで何か大切で尊いものが生成されていくのを感じます。
最初、これが卵子であることに私は気がつかなかったのですが、
今ではハッキリと実感を持つようになりました。

保健体育の授業で習ったのは、女性の体には約40万個の卵子が眠っていて、
女性ホルモンの活発化に伴い一個づつ目覚めていくというもの。
「生理」は、目覚めた二つの内の一方の卵子が、二週間の寿命の間に受精できなかった際、
それが流れてしまう現象であると・・・確かそのような話でした。
生理が来るようになって数年経ちますが、こんな・・・
こんな、卵子と感覚を共有する体験は
勿論、今まで一度としてありません。

最初はとても恐ろしくって・・・。
私のおなかで生まれたばかりの卵子が、ぷるぷると輝いているのがわかるんです。
一つの命となって、外の世界に飛び出したい。
生きたい。誕生したい。
そんな、言葉にならない本能そのもののような強烈な力がみなぎっている。
経の翌日には卵巣で成熟した卵子がうずうずと
子宮に飛び出すのを待っていて、その感覚がちょっとこそばゆい。
そう、保健体育の授業をまるで無視して、経の翌日からもう発情が始まるんです。
排卵に向けて彼女(卵子)の受精したいという衝動がダイレクトに私の肉体を反応させている。

「排卵」は常に準備状態で、ペニスの挿入による刺激、或は子宮内射精を感じた瞬間に
卵巣から放たれることが、この世界での常識なようでした。
でも月経の前日までに性行為がない場合、時間切れで自動的に排卵されます。
そして排卵の瞬間。
受精衝動は絶頂となる。
ただでさえ発情しているのに、その時ばかりは、
犯されたくて、孕まされたくて、気が変になりそう。
もう何でもかまわない。
浅ましいとか、はしたないとか言っていられません。
おちんちんを突っ込んでもらって卵子目掛けておもいっきり胤(たね)をぶっかけてほしい!
もしこの世界に鋭利なもの、例えば石片や尖った朽ち木でも落ちていたなら、
私は自らの腹にそれを突き立てて、生殖機能を元からえぐり捨てていたかもしれません。

排卵した日は短い黄体期に入ったのか、熱が上がって苦しさと切なさが心を締め付ける。
卵子が死にたくないと悲痛な訴えをして、
私は涙を流して必死に彼女(卵子)の嘆願を振り払いました。

ついに受精せず事無きを得た生理の日。
卵子はおりものと共に血として流れていく。

始めに話した喪失感。
それは紛れもなく、私の大切な卵子(子ども)の
生きたい、生まれたいという願いを叶えてやれなかった贖罪の気持ち。

卵子と感覚を共有する私には筆舌にしがたく悲痛で狂おしい体感でした。

罪悪感。

無力感。

救えた我が子を見殺しにした絶望感。

それが、
この世界での、私の一週間のサイクルです。

二度卵子を殺して、二度目の発情期を迎えた今日から、また七日間。
あの耐え難い「命のドブ捨て」を三たび経験するはめになるのだろうか。
今度こそ、心が折れてしまうかもしれない。

何度も自分を説得した。
卵子は無垢で無防備で何も知らない。
授精されるということは「アレ」になるということだ。
きっと卵子は素敵な王子様の子を夢見ているんだろうけど、
父親は王子様などではない。
人間ですらない。
想像を絶するおぞましいケダモノなのだ。
死んだほうが幸せだ。
生まれてくることのほうが不幸だ。

・・・違う。

いや違わない!

誤摩化しているのはどっちなの?

こんな狂った体質にさせられた。
もうきっと心も狂ってしまった。
何もかも狂ってしまったんだ。

 

今更、

 

赤ちゃんを孕むくらい

 

何を躊躇うことがあるのだろう。

 

彼等に身を委ねることで乾きが癒え、
精を受けることで卵子を死なせずに済む。

これがこの世界での正しい雌(おんな)の在り方なのでしょう?

いつか元の世界に帰ることが出来るのではないかと、
理性を保って来たけれど、

もうその臨界点は超えた。

私はこの瞬間、
最後の人としての誇りも、気高さもかなぐり捨てて、
卑しい淫獣にまで堕落する決意をしたのです。

ふらふらと私は立ち上がり、たどたどしい足取りで樹海を彷徨った。

「私はここよ! もう逃げないから・・・受け入れるから!」

絞り出すように声を上げる。

「次に出会った相手と交尾します!何であっても拒みません!」

それは、もしいるのなら神様に向かって表明したのかもしれない。

私の、この世界での存在理由は「妊娠する動物」というだけなのだから・・・。

05

そこに居たのは、思わず目を背けたくなるようなグロテスクな雄(おとこ)でした。
首はなく、胴体から頭までが繋がったような形をして、贅肉を蓄えています。
巨大な眼球は魚類のように感情を読み取れません。
私から発せられる雌の香りに反応したのか、
おぞましいフォルムをしたペニスがそそり立ってびくびくと脈を打っていました。

怖い。
でも、私は決めたんだ。
どんなモノであれもう拒まないと。
『彼』に、恐る恐る近づきます。
すえた肉の臭いが鼻を突き、荒ぶる呼吸音が耳に入る。
童貞であるどころか、直に女を視た事もないだろうから、
警戒して、悲鳴のように吠えてくる。
その嘶きは、知的障害を負った大人の男が赤ん坊の泣き声を真似しているみたいで、
今まで聞いた如何なる動物の声より気味が悪い。
その必死の迫力と、飛び跳ねる唾液に躊躇して、
もう一歩踏み出すことができなくなってしまった私。
でも、あのそそり勃つものを凝視したまま引くこともできない。

これとヤるの?
私は・・・こんなものとSEXするということは、人間を捨てるということよ?

二度と取り戻せない大切なものを、一瞬で失うに違いない。

彼はこっちへ飛びかかってくることはありませんでした。
彼の下半身は大きさのちぐはぐな足が何本も生えていて、
そのどれもが退化してしまったように力なくくっついているだけです。
“わきわき”と動きはするのですが、まるまると太った体を支える力はないよう。
腕は細いが手は大きく膨らんで、触手のような指がうろうろしている。
これも足代わりになるものではないでしょう。
だから彼は這うようにして地中から涌くミミズでも食べながらやっと生きているのかもしれない。

彼が吠え疲れたのか、曲面を画くクッションのような植物に背を乗せて、
仰向けに近い状態のまま、深呼吸している。
それに合わせて腹が隆起し、確かに彼が生き物であることが視てとれました。

醜い。本当に、なんて気味の悪い動物なのだろう。
おまけに重い障害を煩っている。奇形児なんだ。
水泡のようなものが体のあちこちからぼこぼこと湧き出している。
何か病気も持っているのだろうか?
だとしたら、こんなものと性交渉なんてしたら、粘膜感染してしまうかもしれない。
もし妊娠したら。
赤ちゃんはどうなっちゃうの?
水泡が飛び出る病気を持った、骨の歪む奇形児になっちゃう?
そうでないまでも半分人間じゃないのは確かだ。

あまりにもリスクが大きかった。
全てを失って、得るものは何もない。

それでも、私は・・・彼の前で濡れた内ももを開いた。

「怖い。今すぐ逃げたい・・・でも、もうダメ!」

彼の体に抱きついた。

心が悲痛な叫びを上げている。
コレとだけは嫌だと、子宮でさえ拒否しているようにも思えた。
でも、私は彼の腹に私の腹を押し付けるようにしがみついて離れない。
初めて自身以外の他人と、肌と肌を会わせた感触。
なにも遮るものがない全裸の肉体同士が、お互いに密着する面へ全神経が傾く。
異性を知った少女の皮膚は、全身に泡肌が経つのを感じた。
首のない彼の顔面は丁度私の乳房の部分に押し当たっている。
両手両足で挟み込むように彼の体を抱きかかえ、全身に力を込めた。

“ンキョァァァァァァァァァァァッッ!!”

彼は蛾のサナギが尻を動かすように、必死で身をもだえ抗った。
彼はゆうに私の3倍以上の体重はあるから、
このまま暴れられたら振りほどかれてしまうと、私も必死でしがみつく。

「だ、大丈夫! ね! 暴れないで、わ、私も怖いから、、でも、私は
 あなたを傷つけないよ、、ただ、一緒に気持ち良くなりたいだけだから!」

彼は汗をかいて体臭を強くしながら、私の胸元で奇声を上げています。
しかし、それも私の柔らかいおっぱいが彼の口に入った途端、
それをしゃぶることに夢中になって、まるで赤子のように抵抗するのをやめました。
痛いくらい舌で弄ばれて、私の喉の奥から切ない嗚咽が漏れる。

「あ、、ひぅん!、、スゴい、Hな音発てて吸ってるね、、、♥」

私のおしりの間に勃起するかれの根元が挟まりました。
この位置が、一番繋がるのに適した場所らしい。
いよいよこの時が来た。

私は処女だ。

彼も童貞だ。

どんな間違いだって起こるだろう。

でももう覚悟した。

彼を、膣の奥へ受け入れようと身を浮かせますが、
大きな口が乳房から吸い付いて離れないので、体を密着したまま
スライドするように肢体を上へずらし、彼のペニスを股の間に持って来る。

「・・・ママ・・・パパ・・・ここまで育ててくれてありがとう・・・
 二人から貰った大切な体を傷つけるようなことして・・・ごめんなさい!」

幼い花弁に男根の先端が触れると“ちゅ”っと音色を発て、
二人で感電したような快感を経ながら、神経を一層敏感にしていきました。

「いくよ、、、いくからね、入れるからね!」

彼は分けも分らず涙を流しているようでした。
ゆっくりと、
ゆっくり、
本能が教えるとおりに腰を下ろしていく。
膣の圧迫で包茎の皮が押し剥かれていき、普段空気に曝されることがない
敏感な亀頭がカリのところまで露出している。
そして、その先端は、私の桃色の処女膜に押しつけられて、狭い穴を抉じ開けていきました。

やがて、

破瓜の鋭い痛みが肉体の芯を貫いて走った。

「ひん!」

情けない悲鳴が小さく喉の奥からこぼれました。
先端は子宮の入り口に押し当たっているのに、彼の巨根はまだ半分残っている。
全身ががくがく震えてもう自分の躯を支えていられない。

「ああああああああああああああ〜〜・・・」

私もいつの間にか熱いものが頬を流れていた。
もう駄目だ。
私は、終わったんだ。

彼が、私のたどたどしい動きに焦れ、あの大きく膨らんだ両手で私の腰を掴み、
思いっきり下ろすと同時に、腰を突き上げて来ました。

「きゃうぅっ!!!」

無慈悲に誰も迎え入れたことがない深部へ、彼が一気に突入してきました。
びっくりして海老反りになりながら、容赦ない剛直に耐える私。
胎内に他人の男の中心が居座っている。
こんなことが、本当に起きてしまっている!
信じられない!
彼のは子宮を貫いて行き止まりまで達していた。
今までしたことがないくらい内ももを開き切って、腰の骨が外れそう。
付け根の部分は限界までみっともなく広げていながら、その先の
両の踵は、彼を抱え込んで蟹挟みになっています。

ハァ〜〜〜〜、ふぅ〜〜〜〜〜、、、ハァ〜〜〜〜、ふぅ〜〜〜〜〜、、、

二人して深呼吸を繰り返す。
お互いの呼吸が一致して、お腹や胸の肉の柔らかな躍動が密着から伝わる。
全身から玉のような汗が吹き出し、それが接着剤のように一層二人の隙間を埋めました。

深く合体している私は、
乙女を奪われ、純情を踏みにじられ、処女喪失の痛みから我に返り、
あまりに愚かな後戻りのきかない自分の過ちに、断末魔のような叫びを上げました。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!!」

私の絶叫につられて、彼も絶叫し、巨大をゆすります。
上下不規則に動く挙動は、やはり知性の欠片も感じられない異様な所作でしたが、
それに合わせ、軽くて細い私の肢体も上下に踊らされて、結合部が擦れると、
膣の中からつぶさに苦痛と快楽が広がっていきました。

「ひぐぅ! ううっ、、く! SEXしてる、、私、バケモノとセック、ス、、してるぅぅ!」

くちょくちょと淫眉な音色が二人…いや二匹を肉欲の悦びにいざなっていく。
気を抜くと、慣性の虜となった私の四肢が宙を舞い、不器用な彼から落ちそうになる。
私は心の底から彼を嫌悪し、絶望し、死んでしまいたいとさえ強く思いながら、
両腕両脚の付け根の関節を開き切った体勢で、
まるで樽を抱えるように、改めて彼に一生懸命しがみつきなおします。

「あ! ああ! あはぁっ! ふ、深、、深く、て、、とどくぅぅぅ!!」

粘り気をおびて堅く絡み合った生殖器はいやましに強く恋人をしゃぶりこんでいく。

“ンフゥーーーー! ンフゥーーーー!”

二つの小さな乳房に吸い付いて舐め回す彼の大口を、さらに抱え込むようにして、
私は透き通ってしまいそうなほど肉の薄い体の前面を使って滑らせるという抱擁を続ける、
哀れで惨めで愚かな私。
彼の、完全に余分な皮の剥けた先端は、子宮の奥の壁をゴンゴン叩き上げ、
亀頭の顎の部分で、ついさっきまで処女の戒めによって護られていた子宮口を
ガサツにひっかけて虐める。

「あひぃっ!ああ、きゃふ、、んくぁあ!! らめ!らめ、、へ、、死ぬぅふぅう!」

いつの間にか辺りの地面からにょきにょきと太くて長い触手が無数に生えて、
そこに付いたぎょろっとした目玉達が、犯されてよがり狂う私の姿を凝視していた。

あのイモムシも、小型獣も、両生類のような姿をしたものや、
魚に脚が生えたようなものまで、肌の驚く程白い少女による
艶かしい処女喪失劇を見物に来ていた。
あわよくば自分たちも、私の肉体と繋がりたいという浅ましい念を抱きながら。

「視てる、、みんな、視てるよ、、、私のこと、、私が交尾してるとこ!
 もうダメ! イく!、、、初Hなのにイっちゃうぅぅ!!」

あれほど裸になることを畏れていた私が、自分の一番視られたくない姿を、
大勢の視線により矯めつ眇めつじっくりと観賞されて、
その時、精神が解放されていくような不思議な心境がありました。

“-----------ぷち!”

これだけ激しく肉体を蹂躙されながら、その感覚は鮮明に理解できます。
今まさに、私は排卵し、卵子は卵管を通って子宮に向かっているのです。

私は狂喜にも近しい悶絶を打ちました。

06

「排卵!、、排卵したぁっ!、、卵子、、卵子降りてくぅうう!!!♥」

私の膣は、激しく出たり入ったりを繰り返す、
逞しい血管がボコボコと浮き上がったおちんちんの表面の、熱も、堅さも、
あろうことかその射精管の伸縮までを克明に感じ取っています。
子宮は子宮で、彼の先端から漏れ出ている我慢のお汁を内側の壁でうけ、
その粘渡、温度、味や臭いまで詳細に確かめていました。
まだ外まで開いてない花弁は押しあたる睾丸の中で今か今かとスタンバイしている
信じられない程生命力の溢れた精子のマグマを察知して、
根元まで埋まれば、張り上がってピークにある前立腺をこれ以上ないくらい実感しています。

行為の最中にもかかわらず、私の、大人にはほど遠い子どもの肉体が、
すでにこれほど詳細で明瞭な悦楽に曝されているのです。
これで子宮内射精なんてされたなら、きっとその刹那には歯が抜け白髪になり
泡を吹いて白目を向きながら廃人になってしまうほどの快感が押し寄せるに違いありません。

卵子の感覚を共有してる私が、受精なんかしたら、、、
受精する卵子と感覚を共有したら、、、

自我の崩壊、瓦解、完全な破壊。

・・・そうだ、出されてしまえばいい!
「あっ」という間だ。
「あっ」という間に私の脆い精神は粉々に砕け散るんだ!

この世界で一番の苦しみは、私に心があることだ。
私がただの肉塊に成り下がってしまえばいいのだ。

激しく私の中を犯し続ける肉の柱は、いよいよフィニッシュが近いことを諭しました。

、、、

嫌だ!

違う!

こんなモノに胤(たね)付けされるなんて絶対に!

助けてパパ、ママ!

こんなの、孕まない偶然なんて願えない。

卵子と子宮が怯えているのが伝わってくる。

怖い!

怖いよぅ!!

知性の欠片もない奇形児で病気持ちの仔を孕んで、私はどうなるの?

まだ成人してもいないのに、

恋愛だって、キスだってしたことないのに、

強制的に妊娠させられてママになるの?

初めてでこんなに深く、

避妊もせず、

キケン日に、

生で、

直接子宮に流し込まれる!?

そんなの、もう絶対妊娠する!

絶対に絶対!

紛れなんかない!

今ならまだ間に合うから、、、早く! 抜かないと!

もし、もしも授精されたら・・・

膣と子宮とが、まるで舌のように
彼の最後の限界を隠さない威勢のいい反り返りに
ぢゅるっと吸い付いてしゃぶり込み、その喰い絞るのうな圧迫は、
聖域に出された精虫を一匹も逆流させないで受け入れるという決意だ。
高まる感情、これが最後のタイミング。

子宮に意識を集中した。

 

“ピュ、、、”

 

彼の先走ったカウパー液をお腹の底で感じた瞬間、
恐怖に戦慄する想いとは裏腹に、
私の肉体は全身全霊を込めて彼にしがみつき、
爆ぜる寸前のバケモノの剛直を、子宮の上の内蔵が圧迫されるほど
無理矢理に腰を押し込み、根元まで埋ずめると、
私は・・・神様に祈った。

 

“ごびゅんっ!”

「んぎィ!」

第一波の射出は、まるで核爆発のようでした。
地中深くで核実験をやり、その瞬間、大地が強大な起伏を画くように。

間髪入れず第二波。
おへその裏側で激しく跳ね上がる。
汚らしい男の塊が爆出している。
落雷に連続で撃たれているような凄まじい超感覚に
私の女になりきっていない五体は弾け続けました。

「ーーーーーーーーーーーーーー!!!」

“びゅるん! びゅる! びゅるる! びゅく!”

声にならない叫び。じっくり時間をかけて、
彼が溜め込んだ童貞汁を何度も何度も深くに打ち込むので、
自分にとって大切な愛した人以外に決して許してはいけない赤ちゃんのできる部屋は、
瞬く間に劣悪な遺伝子によって許容量をオーバーしました。

私は、一時的に脳みそも身体もバカになりながらも、
生きるか死ぬかの瀬戸際で、
小刻みに意識が吹き飛び、瞬時に連れ戻されるの繰り返し。

子宮の中をおびただしい数の精虫達がざわざわと踊り狂っているのを確かに感じます。
仔袋を満タンにして、収まりきらないほどの冗談みたいな量。
すぐにでも授精したくてがむしゃらになってる彼等は、
子宮に到達した無抵抗の卵子へあっという間に群がり、
容赦なくレイプしていきました。

「あがっ、あががガがッ!!」

この悦楽を苦痛で言い表すなら、数千匹のピラニアから踊り食いにされて、
それも体の外と内側から同時に滅茶苦茶に噛みしだかれる・・・
神経が伝える痛覚の限界はとうに超えているのにショック死も出来ず、
意識も失なっていさせてもらえない。
その比喩でもまだ生易しいと思えるほど複雑で凶暴な快感が、
精神と肉体の芯の部分をズタズタにしてきました。

「イひィィィィぅぅぅ、、、うーーーーーーー!」

群がって、次から次へと卵子の核へ全身をぶち込む精子達は、
その快感に驚喜して暴れまくり、やがて溶け混ざり、微睡んで「生命」となる。
学校で習ったのは、卵子の核まで達して結ばれることのできる精子は
競争に打ち勝った一匹だけだという話でした。
でも、今の私は自分の子宮の中で起きている事を、普段の五感と第六感で感じる
何百倍も正確に理解できるのですから、
今起きていることが学校の話と違う事も確認しています。
彼等は受精卵でさえ遠慮無しに融合してくるのです。
自己の分身として体感を共有していた卵子は、いつの間にか他者となり、
激しい躍動と共に仄かな赤色を放って卵割を繰り返していきます。
その最中でも、生命力に猛り狂った精の群虫は、自分の情報を遺伝させたくて、
強引に潜り込んでは解け合うという強制授精を繰り返していき、
一つの卵子の中に、すでに千匹を超える受胎行為が繰り広げられました。

これの意味するところは、つまり、母方の血筋を押しつぶしていくということ。
生まれて来る赤ちゃんは、確実に化物となるわけです。

「う、、ひ、、、ひ、、、」

私の喉の奥から吐き出される訴えは、言葉にならない白雉の呻き。
彼女(卵子)が私の口を借りて出したエクスタシーの断末魔・・・
無防備なまま強姦を受けている受精卵の恐怖と快楽の悲鳴・・・
やがてそれらは無理矢理に受精させられたショックで吃逆のような嗚咽に変わっていました。

「フー・・・ フー・・・フー・・・フー・・・」

づっぷりと根元深く埋まり込んだ男根は長い射出を終えて、
半萎えになり、あれだけ暴れた先端も子宮口の辺りまで押し戻っています。
女体というのはこんなにも雄の体に密着して治まるものなのでしょうか。
完全に脱力して“びくんびくん”と痙攣するだけの白い人形に成り下がった私は、
それでもこの怪物にしがみついたような体位のままフィットして離れません。
まるでパズルの正解ピースのように、しっかりと繋がってしまっているのです。

 

こうして生で中出しされてからどれくらいの時間が経ったのでしょう。

確かに熱を持って、子宮が膨らんでいました。
利かん坊の精虫達は子宮の中で我が物顔に暴れまくり、
ひしめき合っている感覚がハッキリ伝達されています。
ねっとりと煮えたぎる水飴のように濃いスペルマは、あまりに夥しく、
子宮がぶっくりとだらしなく膨らんでいました。
とは言っても目に見えたわけではありません。
常に実感としてあるということです。
私は今もこうしてこの性欲ばかりで出来た狂獣と抱き合ったままなのですから。

圧倒的な違和感。
前の世界では自分の体内に子宮が在る実感なんてなかったのに、
今は信じられないくらい鮮明に自分の器官として形が確認できました。
こうして膨らんだお腹は、彼のやはりだらしなく贅肉をつけた腹に押されて、
お互いに“むにむに”と変形している。
彼は最後の残り汁まで私の中に放出しないと気が済まないようで、
必死に腰を押し込み子宮口に亀頭を擦りつけて自分のおちんちんに刺激を与えることで、
ぶらさげた二つの玉の中を空っぽにしようと、躍起に射精してる。
それはさかりついた私と同じく、情けない、恥も体面もない惨めな姿でした。

07

じっくりと時間をかけて夜を共にした私達。
口が裂けても「愛し合った」とは言いたくありません。
ですが、これほど不快で恐慌しているのに、どうしても彼との結び目をほどきたくない。
恍惚として、充実感が沸き上がり、あろう事か、私は感動さえしていたのです。
処女を捧げたこの醜く哀れな動物を、すでにどこかで愛おしんでいます。

このままずっと繋がっていたい。
既に間違いなく妊娠したという充足はあるのに、
まだ精子達を一匹も死なせることがないようお腹の中に留めておきたい。
向き合って抱き合ったまま、互いのお腹を押し当てて、そのままにしておきたい。

そんな病みすさんだ私の妄念は、一段落していた膣に再び興奮による痙攣を起こさせ、
その絶妙の刺激によって深くくわえこまれたまま勃起したおちんちんは、
子宮の奥の壁にぐりぐり先端を擦り、
盛り上がった私のおへその裏を、彼の腹に押し当てて「もう一度」を確認させました。
彼の締まりのない腹肉が、確かに中に突っ込んでいるという実感を
私の薄い肉越しに確かめてから、おもむろに腰の突き上げを開始。

「おう!、、おほう!、ほう!!」

思わずそのショックでみっともない声を漏らす私。
彼は、精液の満タンに詰まった子宮へ更に発射しました。
押し付けられたお互いの腹。私の細いウエストが、返って胎内の変化を伝えやすいらしく、
へその裏が“びゅくり! びゅくり!”と跳ね上がって、
彼はまた支配欲を満たし、脱力したままだらしなく余韻に浸っていました。

私は私で、太く逞しい大人のおちんちんで隙間を埋められ、塞き止められた精子が、
逃げ場を失い。子宮のさらに奥の卵管、卵巣、深く深く入ってはならない場所にまで
どんどん侵入して来て、悲鳴を漏らしながらも、体はしっかりと彼にしがみついたままです。

本来、精子は空気に触れたら長くは生きられません。
でも彼等邪界のオスは、外に出した精子でも、放っておいて4〜5日生きつづけます。
そのため、もし子宮の中に侵入することができれば、かなり長期間寿命を永らえるのです。
精子一匹一匹にだって命がある。
一度放たれたなら、少しでも長く、生きてほしい。
だから、私はお腹の中に流し込まれた白濁を、もう一滴も外へ出したくなくて、
さっきよりももっと彼との繋がりをほどくことができなくなりました。

彼はやがて私の想いを察したのか、丁度良いくぼみに私を置いてから、
お互いの結合部に重心をかけるようにして、力を込めずとも深く結ばれたまま、
密着が解けないようになりました。
私もすっかり抱きかかえたままの状態で脱力し、安堵さえしています。
避妊を一切していない健康的な子宮の中にだらしなく子種を垂れ流しながら、
彼もまた安心しきった顔でおっぱいを吸いながら眠りについてしまいました。

私はできるだけ優しく彼の後頭部を撫でながら、子守唄を歌っています。

その時、熱く胸のトキメキが復活し、彼が目を覚ましてしまうのではないかというほど
鼓動が高鳴りました。そしてそれは激しくも暖かくて・・・
「恋」ではなく、「愛」の感情だと思いました。

その理由は、着床です。

受精卵がオタマジャクシの凝縮された精液の中を降りて、
確かに着床した感覚が私に伝達されたのです。
子宮の中に作られた私のふわふわベッドの上で、私の栄養を吸い上げる胎児。

私は母になったのです。

08

着床から一夜明け、同時に私の肉体は急速に「母」のそれへと変身していきました。
目眩と頭痛、つわり、熱っぽくて心身は怠い。
さらに射精されてから一週間経っても、子宮の中のざわつきは治まらない。
精の蟲は勢いよく“びちびち!”と、あるいは“うじゅるうじゅる”と活発な様子。
成人男性の精子の寿命は三日ほどだと聞きましたが、
彼等の精子はそれこそ半月しても生命力を衰えなかったのです。

でも、嬉しかった。

あれから生活をする上で、どうしても流れ出てしまう精子達はいます。
それは象牙色に所々黄ばんだ「こごり」のような濁液で、
目を凝らすと小さな精虫が犇めいているのが見て取れまました。
人間の精子は顕微鏡でないと視えないほど小さいと聞いていましたから、
彼等のは相当に大きい強靭な精であるということでしょう。

彼は常に私を視ていました。
視姦というのでしょうか。
正気を見いだせないはずの彼の視線は、確かに満足げです。
お腹の中に彼の仔を宿し、その胎児と、へその緒を通じて繋がっていることが、
彼等の、お世辞にも知性とは呼べない下等動物にも劣る僅かな感情が
望むと望まざるとに関わらず、私へテレパシーみたく伝わるようになったようです。
・・・確かに彼は優越感を感じていました。
私の中に、彼の精子が沢山蠢いていて、彼との交配で涌いた駄児が
確かに育っていることを、本能的に悟っているのかもしれません。
私は彼とSEXをし、肉体を外から征服され、今中からも征服されている。
食事の時も、体を洗う時も、トイレの時も、何時如何なる時も、
私の肉体は彼の物になっている。
でもそれは愛すべき妻を見守る視線などではなく、
―――突っ込めばキモチのイイ、
    俺と交尾したくてたまらないメスの動物、
   中に出せば勝手に孕むオモチャ―――
程度にしか思っていないようです。
だから、彼の視線は多く下腹部に向けられているようでした。
眠っているときは、ふと気がつくと彼がにじり寄っていて、
ざわつく子宮を想ってか、おへその下をべろべろと舐め回す。
妊娠線の浮いたそこは唾液にまみれて、私はついぞくぞくしてしまいました。

そんな隠遁とした生活が始まって五日ばかり・・・。

彼と二度交わったのは軽率でした。
いや、堕ちるのは時間の問題だったかもしれませんが、
とにかく、一度目の交尾は、あまりの衝撃にわけがわからずイかされていたのですが、
二度目になると、覚悟があり、状況を理解するだけの冷静さも備わっていました。
その状態で性器を絡み合えば、あの衝撃が凄まじい快感であったことを
否応無く思い知るに至ります。
クるとわかっているのに抗えない悦楽の濁流。
絶頂に次ぐ絶頂。
私の良識も道徳も理性も自尊心も、
人が人である拠り所の一切合切を押しつぶして、
私は性欲を貪って孕む、淫獣になり下がりました。

いままで抵抗していた接吻も躊躇がなくなっていました。
ディープキス。
舌と舌が根元から音を発てて絡み合う、目を背けたくなるほど卑猥な姿です。

一日の内の半分以上を相互生殖器を深く結合した状態で、
射精も彼の好きなとき好きなだけ胎内に出してもらいました。
前に話したとうり、私は精子に死んでほしくありません。
一匹でも長く生きてもらうためには子宮の中に居るのが一番安全です。
ぽっこりとふくれあがった生きた精子の貯蔵庫。
そのお腹をやさしく両手で愛撫…文字通り「愛でるように撫でる」のです。

食べるときも、眠るときも、トイレのときも、
夫である彼と子供である彼等の視線が私にささりました。
そして、父親の遠吠えを聞くと、お腹の中の精子達は一斉に暴れ出す。
特にこの頃になれば、子宮より、細い卵管や小さな卵巣の中に上がり込もうとする
オタマジャクシの大群を強く実感し、少し怖くなるようになりました。

精子はすぐに彼が睾丸の中いっぱいに生産する。
私は精子達を殺したくなくて、必死に子宮の中に抱え込んでいたけど、
間違っていたのでしょうか?

そう・・・

やがてこの選択が更なる苦痛を私に齎すことを、
私はこのときまるで気がついてませんでした。
私の卵子は既に受精卵で、もっと言えば胎児として育っている段階です。
だから、この上どんなに射精を受けても、想いを遂げることのできる精子は
一匹もいない・・・だからせめてお腹の中で短い生涯を少しでも思いやろうと
考えてした行動でした。

しかし違いました。

彼等の生殖したいという願望は私の腹の底で暴力的なまでに肥大し、
生命力を上げて、
妊娠中の私を更に妊娠させたのです。

それまで私ははっきりと視てわかるくらいお腹が精液で膨らんでいました。
出されれば、イき。イッてる間は脱力して彼にしなだれかかっていますが、
彼が私を鬱陶しがって離れたがれば、ペニスの栓が抜ける瞬間、
秘裂に力を込めて手で押さえ、流れ出る液量を最小限度に食い止めます。
そしてまた寂しさを訴えてきたら、繋がり、射精を受け入れる。
だから満タンに膨らんだお腹の中はいつも熱を持ってこってりどろどろ。
うじゃうじゃと精子が入っちゃイケないところまで冒険してるのを感じながら、
腹の上からやさしくなでなでする。
その繰り返し。

この行為は、
なんと次なる排卵を諭したのです。

妊娠中であるにもかかわらず、新鮮な卵子が生成され、卵巣に花開きました。
しかしそこはすでに授精させたくて猛り狂う精子達が無数に犇めいています。
アッという間でした。
次から次に生まれたての幼い卵子一個が何千億という野獣によってたかって
強姦される。
怪力の精子達に、滅茶苦茶に犯されて、犯されて、犯しつくされる。

「ひぃぃィィィィィィィぁあア”アァッッッッッッ!!!!!!!」

何も分らない無抵抗な裸の卵は、獰猛な生殖欲に嬲られて何度も孕む。

「受精! じゅしぇいしてりゅぅフゥゥゥーーーー、、、!!!」

そう、妊娠中とか関係なく、この世界では、毎週排卵される。
ただ妊娠するだけなので生理で血が出ることはない、
つまり、私はこのままだと毎週妊娠させられ、
六つ子でも七つ子でも身ごもってしまうのです。

医療現場では四つ子以上は出産の負荷に母体が堪えられないとして、
堕胎を推奨しています。
でも、私は子供の堕ろし方なんて知りません。

私の中に放たれた今泳いでる全ての精子に、生誕の可能性がありました。

09

最初の一週間はしこりがあるくらいでしかなかった胎児は
驚くほど急速に発育し、半月で膨らんだ腹の中で身をよじるまでになりました。
その間、次の週、その次の週に妊娠した胎児もタイムラグを持って成長していきます。
乗じて私の乳房は痛みを伴って、自分で揉んでいないといられなくなりました。
妊娠して二週間で母乳が出る。
そこからはこの子達の父親である彼に母乳を吸ってもらい、張りを押さえました。

その頃には彼だけでなく、あの肥満したイモムシにまでおっぱいをあげていました。

これ以上孕み続けることは出産の苦痛によって死んでしまう可能性が上がり続けること。
命にかかわると頭ではわかっているのに、SEXをやめることはできず、のみならず
中に生で出してもらわなければいられない体になっています。

彼は私の中に射精しながら母乳を啜って、そのまま寝てしまうのが好きでした。
その間、胎児は暴れて、圧迫してくる父親の腹を、私の腹越しに歯向かう。
むにゅむにゅと胎動で動く私のお腹が、逆にだらしない彼の腹には心地良いらしく、
パパは気にする風でもない。
もちろん、その間の私はたまらない。
赤ちゃんを落ち着かせるために子守唄を歌ったり、
必死に優しくなだめたりしますが、強靭な精子達と増えた兄弟達との
場所の取り合いで躍起になり、ちっとも落ち着いてくれません。

目眩、微熱、吐き気、生理と同じようにだるくて体が重い。
実際身重なわけですが、この感覚は、日常を送れるほど生易しいものではありません。
それも毎週妊娠し、胎児が増える度に、安定期なんて来ず、
苦痛と間隙は激しさを増していくのです。

二ヶ月後。臨月・・・いや臨週と言いましょうか。
生まれる二日前くらいになると、大きく膨らんだ腹は“もこ!もここ!”と動きます。
胎動と言うような寝返り程度の話ではなく、身をくねらせて暴れている。

「はぎィィィィィ! らめっ! 赤ひゃん、、あわれひゃらめェェへェェェェ〜〜〜!!」

唾液とも胃液とも分らない液体を“びゅう”と喉の奥からまき散らして、
腹を抱えながら絶叫し涙を流し続ける私。
眼球が痙攣し、腹の底から幼虫の鳴き声が聞こえた。
それはただの鳴き声ではなく、母親である私を苦しめて悦んでいるような、
暴虐な感情も読み取れました。
それは子供心の持つ悪戯でなく、思春期を迎えた男が持つ猟奇性に似ています。
出産前夜は一睡もできない。
いつものように必死に震える声で子守唄を聞かせて変形する腹を撫でながらなだめるのですが、
父親である彼が、嘶くとそれまでです。
彼の怒りの声は、さっさと俺に股がっておまえの中に精液を吐き出させろという合図。
彼と深く繋がると暴れる腹を彼の腹に押し当てしがみつくいつもの動き。
陣痛と快感が私の脳みそをミキサーにかける。
羊膜越しに父親のペニスを攻撃する幼虫に、彼は容赦なくスペルマをぶっかける。

ろくに食べる事もできない私は、より細くより白くより非力になって、
その地獄に耐え続けました。

出産はこれを超える地獄です。
頭蓋骨が潰れて行くような陣痛は数秒単位で襲い、破水してから生まれるまでの時間は
少なくとも半日を超えます。
アソコから幼虫の頭が見えても、彼等はすぐ私のお腹の中に戻っていったり、
出たり入ったりを繰り返して、やはり母親である私を苦しめて楽しんでいるようです。
髪が恐怖のあまり色落ちし、噛みしだいて耐えた歯から血が出て、瞳孔が開き、
どこから出ているのか知れない、自分のものでないような奇妙な悲鳴が続く。
何度も殺してとお願いした。
もう死なせてと、耐えられないと。
私がうるさくしたため、パパが私の腹を退化した足で踏みつける。
私が絶叫したので、再び怒って殴り飛ばす。
幼虫をはみ出したまま羊水と流血でぬめった地面を転がる私。
出産の最中、完全に無防備な私を、無慈悲に容赦なく痛めつける彼。

長時間、この世の苦痛をすべて超越したような地獄を乗り切って、
ついに私は幼虫を産み落としました。
この仔が完全に私の中から出た瞬間。やはり喪失感がありました。

蟹股で急勾配な壁に頭だけ持ち上がった私は、中途半端に膨らんだ腹を眺める。
少し腹に肉がたるんでいるけど、まだ二匹も幼虫が中にいるのだ。
動く胎内の仔を腹肉の上から撫でてあげたかったのですが、疲労して
指一本動かせない。

“ぎちぎちぎち、、、ミギィィィ!”

産まれた幼虫がずるずると這いずって私の開きっぱなしな股間によじ上ってきました。
大きさは、30cm程、オオサンショウウオの成獣くらいあるでしょうか。
へその緒を引きずって、胎盤を抜いたら、赤ちゃんは私のお腹の上を這いずって来ます。
腹の下の兄弟がそれに反応して暴れました。

おぞましい姿。
例えるなら、ウミウシ・・・でしょうか。
こんなものを私が産んだの?
こんな醜い化物を!
違う! これは私の子どもじゃない! 寄生虫だ! 私の遺伝子なんて受け継いでない!

私は必死に自分を説得しようとしました。
でも、幼虫が私の乳首に吸い付いた瞬間。
ビリッと電気が走って、全身が恍惚としていくのです。

「ひゃ、、、あ、、、、あひぃ、、、ん♥」

ゾウは赤ん坊を産んだ段階では母親の自覚がないそうです。
赤ちゃんにお乳を吸われて、そこで初めて母性に目覚める。
私のこの感覚はまさにそれでした。
こんなに恐ろしい醜い姿をしているというのに、この幼虫が一生懸命“ちゅうちゅう”と
私のミルクを飲んでいるのを視て、感じていると、どうしようもなく愛おしくなる。
違う!
この感覚はこの世界の動物の本能であって、私の気持ちじゃない!
でも、、、、凄い! この仔が、、、産まれてきて嬉しくて、愛しくて、、、
無条件で愛してしまっている。
この仔のためなら、何でも出来る、、、そんな想いになっている!

幼虫は生まれながらにして女の胸の揉みほぐし方、乳の吸い方を心得ています。

「あはぁぁあぁぁ〜〜〜〜♥」

私は仔供とパパとに両乳房を吸われて、快感のあまりよがってしまった。

彼の前で・・・もっと、彼の赤ちゃんを産んで見せたい!

そこで、はたと気がつきます。
気がふれている。
私は気がふれている!

理屈ではわかっているのです。
この異形なばかりか奇形でさえある怪物の仔供を妊娠し出産することなど、
どの立場から見ても不幸なことででしょう。

でも、私にはもはやどうすることもできない。
摂理に服従して、これから毎週おとずれる出産地獄を楽しむしかないのです。

10

この邪悪な肉欲の世界に、夫となる人は彼だけではありません。
私のメスの匂いを嗅ぎ付けてきたのが、大勢の異形の怪物が集結してきました。

「あひあひ! ザーメンさまが ザーメンさまがぁぁ!」

全身にねばりつく子供汁は悪臭のかたまりです。
でも、いまでは私の意識を涅槃まで連れて行く媚薬のような支えになっていました。

「私のような淫獣を、、犯してくださいまして、、、あ、ありあり、、イひぃん!」

今も私は頭が四つ付いている御主人様と、触手が無数に生えた御主人様に
サンドイッチにされながら、前と後ろの両方の穴に注ぎ込まれているのです。

出産は何度も死ぬと思ったほど過酷であったのに、今はその苦痛がなければ
いられないほど精神は狂ってしまいました。
御主人様はあまりに増えて、一日に10匹以上が私に中出ししてくださいました。
もちろん、それだけの数を私たった一人ではどうにもできません。
本当は私の中で延命させてあげたい愛しのザーメン様達、
胎児様達に押し出されるような形でアソコから駄々漏れです。
ザーメン様の水たまりはいつしか広範囲に広がって、
特有の深いわだかまりが立ちこめていました。

胎内で増えすぎた胎児はついに7匹を超えたところで、
恐ろしいことが起きました。
私のお腹の中で、赤ちゃん同士の共食いが始まったのです。

「あぁぁあああ"ア"!!!」

私の未来の御主人様達が互いに食い合っています。
出産の苦痛は誕生の喜びと対ですが、
腹の中で共食いされる苦痛は、ただただ悲愴なものでした。

私は押し出されてアソコからはみ出す敗北した胎児の残骸を抜き取って
むせび泣きました。

これ以上、妊娠してはいけない。

肉体的苦痛も精神的苦痛も、どれだけ重くても耐えてきた。
それは子を宿し産み落とすという崇高な儀式を尊いものと信じていたし、
また、この世界ではそれが必然なのだと無理矢理に納得したからです。

でもこれは違う。

私の子供達が互いに殺し合うなんて、私には耐えられない!

私は逃げました。
暴れるお腹とこれまでに産んだ子達を抱えて、
ひょこひょこと弱った体で、御主人様達から・・・

でも、捕まってしまいました。

御主人様達は巨大で強靭で大群で、どこにでもいます。
この世界に居続ける限り、逃げ場なんてありませんでした。

私は広さ六畳ほどの肉で出来た個室に幽閉されています。
両手を万歳の格好にしたまま括り付けられ、少しでも抵抗したら
腹を蹴る殴る噛み付くというリンチを加えられお腹の子供を殺されました。
だから私は一切の抵抗をせず、脱力し、ただエクスタシーを感じる
肉塊になりました。

肉の牢獄には隙間がないほど御主人様が詰めかけて、
私を強姦し、孕ませていきます。
私の手や脇の間や口の中やおしりの穴でちんちんをシゴいていた御主人様達も、
必ずフィニッシュは膣の奥まで突っ込んで出しました。

次から次へと絶え間なく男の逞しい巨魁を抱きかかえてキスする私。

股は全開のまま、もう何匹妊娠して何匹出産したかもわかりません。
いまお腹に何匹いるかも・・・。

産まれた瞬間、私の目の前で御主人様達が赤ちゃんを喰らいます。

生きたまま、私の頭の中に悲痛な絶叫が焼き付く。

それも関係ないといったふうに、彼等は再び私に種を植え付ける。

生き残った仔供も母乳に授かれず床に根をはり、
肉の植物になってしまったり、他の妖獣と融合してしまったりしています。

 

餌を与えられながら辛うじて生きている私でしたが、
ついに限界がきたと思うようになりました。
それは、この肉の牢獄の外に、巨大な怪物が居座ってからです。
姿こそ見えませんが、おそらくはこの世界に来て最初に目撃した巨大生物。

その巨獣が定期的に咆哮するのです。
咆哮は私の肉体と精神を芯からつんざいて
その瞬間、私の深部で強引に何かが開放された感覚が走りました。
ああ、まさかそんな、、
それは、胎児で満タンの子宮の両脇にぷるぷると携えた卵巣が
弛緩して開き切ってしまった感覚に他なりません。

「だ、だめ!だめぇ!!!」

気が違ったように暴れ狂う精子が充満した大海へと
無造作に放たれる。
蓄えられていた四万もの無抵抗な卵子群が
強制的に孕まされていく。
行き場のない密閉空間の中で、授精を逃れられるものなど皆無。

「ああああああああああああ!!いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

開いた卵巣へなだれ込む猛り上がる精獣が次々に卵子を暴行し生命を爆誕させる。
丸一日、ひたすら受精しつづける快楽地獄を味わって、
次から次に子宮の内壁に着床していくのを実感しながら、
眼球は裏返り、失禁し、母乳をほとばしらせ、びくんびくんと絶頂を重ねました。
今度こそ私はおしまいだ。
死ぬ。死んじゃう。
こんなバカみたいな孕まされ方したら、出産より前に身がもたない。

御主人様達も、あえて咆哮の寸前を狙って交尾しようとおしよせました。
今まではどんなに中出ししても所詮卵子一匹の奪い合い。
でも今は無数に排卵しているのです。

肉人形になった私は、永遠に続く蹂躙の中で、やっと気を失うことができました。

11

湯あたりしたと説明したのは私のママです。
涼しい夜風が私の部屋にそよいできました。

下腹部に鈍痛が走る。

私はよいしょと体を起こしてキッチンへ行き、ペットボトルに入った
ミネラルウォーターの残りを飲み干します。

なんて格好してるんだ。

パパが呆れたような声を出しました。
私は下着姿でした。

なんだ、全然違和感ないや。

私は急に明日の学校が楽しみになってきています。

                       おわり

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