O-Parts

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考古学者の父に付いてある遺跡の研究に手を貸していた
英国の少年フェイン。彼は今まで遺跡と古代文明とばかりが
すべてで、父親同様まさに夢に生きる男であった。
しかし、15才の誕生日。遺跡のことなど吹き飛ぶほどに
彼を魅了するものが現れる。それが、歓迎の舞を踊ってくれた
同じく15才の原住民族の少女シャラだ。
シャラは人前で踊るのは始めてだったらしく、最初は
緊張しておぼつかない足取りだったが、やがて太鼓の
リズムは軽快さを増して、トランス状態に入っていくように、或いは
揺らめく炎に浮かぶ影は妖精のようにミステリアスな優美を披露する。
フェインは恋におちていた。
生まれて始めて異性を強烈に意識し、来る日も来る日も
彼女のことで頭がいっぱいになった。
ついに意を決してフェインはシャラに告白する。
「す、すす好きだ! シャラ、きみを見たあの夜から、僕の心は
ずっときみに支配されてしまった。この島の男たちほど
僕は屈強ではないけれど、この島の誰よりもきみを必要としてるんだ!」
シャラの小さな胸は経験がないほど高鳴って耳まで紅潮する。
フェインの言葉は正確には通じなかったが、何を伝えたいのかは理解できた。
シャラは口数が少なく、村でも目立たない娘だった。
これといった取り柄もなく、花を眺めるくらいしか趣味もなかった。
そんな彼女が一瞬で変身する出来事が起きる。金髪と瑠璃色の瞳を
持った少年に出くわしたことだ。それはまさに完璧な花だった。
美しく、穏やかで、眩しくて、シャラにとって初めての恋。
今まで眺めていた花々が色褪せてしまうくらい、シャラの
心は雁字搦めにされている。しかし話しかける勇気はなかった。
もともと引っ込み思案な上異国の言葉なんか分からない。
ひっそり遠くから見つめるくらいがせいぜい。
そんな彼女に注目の集まるイベントがやってきた。
15才の誕生日、村の娘は成人式の舞を披露するしきたりなのだ。
今年15才になるの娘はシャラだけ。
そして、その舞を、憧れの少年の前で舞うことも決まった。
その夜、奇跡は起きた。あの気弱なシャラが
見事に美しい舞をやって魅せたのである。
ひざまずいてさし出すフェインの求愛の花を受け取り
シャラは嬉しそうに、そしてちょっぴり恥ずかしそうに
コクンとうなずく。
民族も文明もあらゆる価値感の異なるふたりにとって
それらがすべて吹き飛ぶくらい、当たり前の恋がそこにはあった。

122

フェインとシャラの結婚は村総出で行われた。
ずぼらな父親も頑な長老も、皆がふたりを祝福している。
ふたりの婚礼の儀式。
頬や額に愛の神を称える印を化粧され、シャーマンの
ダンスを受けるフェインは、空と大地でさえ自分達のことを
祝ってくれているのかと感動していた。
フェインは式の最後に誓のくちづけを行う。
シャラはその部分に、食べると喋ると意外の使い方があるのを
始めて知り、異国の愛情表現に感激してしまった。
一昼夜続いた儀式も終わりを迎える。
夫婦となったその日から、その村の掟に従い、
これから暮らす家へと移動。その家とは海に浮かぶ
いくつかの小さな離れ小島のひとつである。
海には凶暴な肉食魚が泳ぎ、一度島に降り立ったら、
船が来るまで戻ることはできない。
これから1年間、離れ小島にふたりっきりでの生活が始まるのだ。
何もかも曝け出し、お互いのすべてを受け入れあって
愛を育むこと。島はシャラフェイン島と名前が付けられ、
中央にある小さなほこらをスイートホームに
ついに新婚生活がスタート。
シャラは見るほど話すほど魅力的な少女だった。
島での自給自足の仕方も、自然から奪うのではなく
分けてもらうという発想で、目に見えるすべてものもに感謝し、
精霊が宿っていると考えているようだ。目元口元鼻筋首筋
耳も眉も指先も声も、何もかもが可愛くて愛おしかった。
この笑顔を守るためなら命も惜しくないと本気で考えた。
浜辺で遊んで夕日を眺めて歌を歌って、気が付くと
潤んだ瞳で見つめあっている。手をつないで
ずっとドキドキして、胸がキュンと絞まる思い。
フェインは見るほど話すほど魅力的な少年だった。
滑らかな言葉はずっと聞いていたくて、自分も真似をしてみる。
「フェイン」「スキ」「アイシテル」「キレイダヨ」
憶えた言葉で話すと嬉しそうにするフェインがたまらなく
愛おしくてシャラは必死に勉強した。いまいち憶えの悪い
シャラと違って、自然と共存する生活についての
フェインの飲み込みの早さに驚き、さらに憧れが増していく。
そしてフェインに教えてもらった言葉より素敵な
キスもいっぱいした。それこそ5分に一回しているくらいな
状態だ。最初に舌を入れたのはシャラのほうだった。
フェインは少し驚いたが、喜んで受け入れ舌と舌が深く絡まる。
見つめあったまま嬉しさで涙目になり、お互いの
唇がまさぐって歯がカチカチ当たり、唾液をすする音が
聞こえるほどであったが、違和感はなく、むしろ本来は
こうするものなのだとさえ感じているふたり。
でも、まだ何かが足りなかった。
もっともっと深い部分で得られる恍惚や充足感。
つながりたい。
ひとつになりたい。
きっとキスから先の何かがあるはずだ。
ふたりはソレを探しはじめていた。

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肉体の異変に気がついたのは島の暮らしがスタートして二日目のことだ。
フェインはシャラの入浴している姿を覗いてしまう。
女性に対して紳士であろうと心がけてきた彼にとって、
自分を疚しい存在だと自責の念がこみ上げもしたが、
自分の幼い新妻のあまりの美しさに目を反らすことが出来ず、
吸い込まれるように眺めてしまっていた。
同時に下半身が痛いくらい腫れ上がっていて、
これも経験のないことだった。 シャラは気がついていた。
しかし言えない、本当は一緒に入浴したいなんて…
幼い夫は誠実な男である。そんなことを言ったら嫌われてしまうかもしれないと。
少しびくびく意識して体を洗った。
見られてる…熱く絡む視線を感じながら、想いとは裏腹に、
もっと見てほしくて大胆になってくる。アソコが火照って密をしたたらす。
もう、ふたりは限界だった。殆ど同時にお互いの名を
呼びあって泉の横の草村で見つめ合った。蒸し暑いのに
恥じらいのあまり小刻みに震えながら、深い深いキスをする。
フェインも衣服を脱ぎ捨て、少女を抱きしめた。
濡れた肌と肌が触れただけで、その感触の良さに驚く、
キスから先の何か…その答えを感じた。
ぎゅっと力を込めて女になりたての肢体をまさぐるフェインと
同じようにまだ少し頼りない男の肉体を舐めたり噛んだり
愛撫したり犬か猫のように求愛するシャラと。
いよいよ止まれなくなっていた。深いキスは、
やがて激しいキスとなって草村に転がり求め合う。
はぁはぁと呼吸は乱れ躰中が敏感に反応している。
喜んでいるのがわかる。次はどうしたらいいのだろうか。
不安で怖くて 混乱しながらも、興奮は押さえられなくて、
涙さえ流していた。小振りな乳房にしゃぶりつくフェイン、
へそに舌を入れるシャラ。ここじゃない、
もっと感じる場所がきっとある。
それを見つけたのはほとんどふたり同時だった。
フェインはシャラの、シャラはフェインのそこを弄った瞬間。
まるで電撃のような快感が全身に走ったのだ。
互い指がその部分を探り回すと、たまらなく切ない嗚咽と反応で
相手が応えるので、心も体も喜々としているのが実感できた。
こんなに刺激的な器官があったのだ。もしこの器官同士を重ねたなら…。
フェインのそれがシャラのそこに 触れると、すべての意識がその一点に集中した。
緊張で頑なに閉じた蕾の入口を、フェインの先端がなで上げる。動きが徐々に加速し、
「あ、入る!」
ついに答えを探りあてた。

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入っていく…言いしれぬ不安と恐怖がじわりと
背筋を覆ったが、それ以上に沸き上がる渇望。
より深部への融合を求めて突き進んでいく。
フェインの皮被った普段空気に触れることのない
敏感な先端部が膣壁に絞り込まれ少女の中で露出した。
灼熱の圧迫を受けながら負けじと反り返って
必死に少年のものが見栄を張る。 が、それは
想像もしていない痛みを伴った。剥け出た亀頭とが
甘い蜜をねっぷり塗り込まれるように、
シャラの肉のうねりにシゴかれて、
へその下から根本までが緊張で締まるように
ジンジンと耐えるような変な感覚が広がる。
そして先端が薄い膜に吸い付くと涙を流してフェインは腰を突き上げた。
切ない悲鳴が少女の咽奥からかすれそうに発された。
それはシャラにとっても痛みを伴う行為だった。
自分の体内に異物が潜り込んで来る感覚は、
愛した人と一体になっていく歓喜と同時に、
女に変革することへの衒いが交錯して強ばる。
熱く硬直した男のそれを体内で優しく包みたいのに
肉体は言うことをきかず、彼を握りつぶそうとしているかのように、
ギュウギュウとプレッシャーをかけてしまう。
シャラが痛みに耐え涙を流しているのと同じようにフェインが
痛みに耐えているのが分かっているのに、膣圧は全力で少年を圧迫し続けた。
それでも頑張ったフェインの貫きに、膜ははじけて
ついに子供を作るための聖域に辿り着いたのだ。
繋がったまま骨がきしむほど絡まり合ってキスをする。
どれくらいの時間一つになっていたのだろう。
ふたりとも五感ではただ辛いだけだった行為なのに、
これが答えであることを確信していた。
でも、まだ知らないのだ。絶頂という感覚を…


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あの発見から二日間、ふたりは寝る間も食う間も惜しんで求め合った。
緊張と痛みは、奥深くで肉が激しく混ざり合う度に、
少しづつ快感に 変わっていくのが実感できていた。
フェインは無我夢中で腰を振り勢い余って抜けたり腿が張って足が痺れたりしながら、
だんだんとバランスの良い体勢を覚えていくと同時に、
シャラが気持ちよくなる動きや内部のポイントも捉えていく。
シャラもより深く中心にまで届くよう股関節が軋むほど開脚し、
結合部を突き出しながら 蛇のようにフェインに絡みついた。
たてつづけに濃密な接吻を求め懇願し相手が息付く間も一生懸命舌先は求め彷徨う。
密が溢れ肉を打ついやらしい音が汗だくの全身に流れ巻き付き、
ふたりの甘くて切なくて 悲鳴のようなあえぎ声は、
島の動物たちにはばかるのも忘れ声量を上げていく。
涙が止まらない。欲が止まらない。愛が止まらない。
SEXを覚えて6回目の行為、
ついにふたりはエクスタシーに達した。
初めて味わう絶頂の瞬間。
あれほど声を上げていたのに、息が止まって歯を食いしばって
すぐ大口を開けながらまるで喋れなくなってしまう。
上になっていたフェインは痙攣のため体勢を持ちこたえることができず、
シャラの上にのしかかり、新妻の中でびくんびくんと跳ねっ返っている
凄まじい感覚に昏倒した。
下になっていたシャラはビクン!と強く震えて
体内で何かが爆発したのを感じると全身をエビ反りながら、
頭頂部を 地面に打ち付けブリッジ状態になり、
子宮にフェインの残り弾が撃ち込まれる都度反応して
びっくんびっくん勝手に踊らされてしまう。
そして夫が脱力してのしかかってきたのと同時にシャラも全身の力が抜け、
余韻タイムに突入していった。
繋がったまま指一本動かせないくらいの 心地よい疲労感。
小さくとも柔らかく張りのあるシャラの肢体はちゃんと女で、
密着しながら乱れた呼吸と鼓動とが整っていくのが伝わって安堵感がこみ上げる。
白くてシャープなフェインの体もちゃんと男で、
完全に抵抗しなくなった少女の体が重く上から圧迫され、
それが力強く抱かれているようで堪らない充足感に浸ることができた。
どのくらいひとつだったのか、うつつに顔を見合わせた幼い夫婦は
あれは何だったのだろう、びっくりしたね、
といった具合で クスクスと笑いあう。
そしてもう一度それを確かめに交わるのであった。

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一度イくことを覚えたら、もう止まらなかった。
一日平均4回というハイペースで関係を続けていく。
その回数が重なるにつれ快楽は増していき、
これ以上気持ちよくなったら精神が壊れてしまうのではないかと考えるくらいだ。
祠以外にも海で、丘で、森で、巨木の雨露や浜辺の岩間で、
星空の下で、青空の下で、スコールの中で、霧の立ちこめる暗闇の中で、
場所も時間も条件も関係なく、火が付いたら見境なかった。
フェインは中出しが大好きだ。
というより初めての射精からもずっと出す時はシャラの中であったため、
自分の出しているものをちゃんと確認したことさえなかった。
とにかく魂が繋がったような歓喜に包まれる。
シャラは中に出されるのが大好きだ。
へその裏に熱くねっとりとしたプレゼントが惜しげもなく流れ込むと
膣が喜びに震え、 美味しい嬉しいといって飲み込んでいく。
初弾を受け入れた瞬間も好きだったが、そのすぐ後訪れるふわふわとした恍惚の空間も好き。
それこそ気を失うみたいに眠りに入って朝まで繋がりっぱなし
だったことも間々あるくらいだ。そしてシャラの中で朝立ちして
目覚めるとそのまま朝食前に懲りない甘美な汗を流したりする。
体位も研究されていき、お互いの喜ぶ攻めや受けを追求した。
それもフェインがやりたいことはシャラもやりたかったし、
シャラが気持ちイイことはフェインも気持ちよかったので、
突出して肉体開発が進んでしまい、事あるごとに敏感に表れて、
例えばすぐに立ってしまうし例えばすぐに濡れてしまう有り様だった。
合体するとお互いの手足が縛鎖となって雁字搦めの固まりとなり、
溺愛と悦楽の中、死にもの狂いで完遂すると、だくだくと流し込み流し込まれる嬉しさに、
半開きのだらしない口元から愛する人の名前が駄々漏れて、
潤んだ瞳が困ったくらい艶っぽい視線となり
相手の心の底の底まで赤裸々にのぞいてしまるほど。
南国の楽園は沸騰、惚気で島全体が燃え上がってしまいそうだった。

127

本当にあっという間に時は過ぎて、気が付くとふたりは大人になっていた。
村の人々は忘れてしまったのだろうか。ふたりは島での生活を続けている。
フェインは一層賢く勇ましく心優しく成長していた。
想いを寄せた芸術的な花は、想像を超越して神々しく、自分には勿体なくて照れるくらいだ。
シャラは一層可愛く美しくチャーミングに成長していた。
想いを寄せた神秘的な妖精は、想像を超越して可憐で、自分には勿体なくて照れるくらいだ。
時には恋人同士の関係に憧れてケンカごっこをしても、
いつも決まって相手が望むことが自分の望むことであるため、
ちっとも成立しない。 相性が良すぎて少し不気味なくらいだったが、
そこに思考が至るほど冷静でないのもいつもどおりである。
自慰行為も知らず、この10年精のすべてを妻の中へ注ぎ、
そのすべてを絶頂しながら受け入れてきた。
ふんわり育ったシャラの胸を揉んだり吸ったりしながら癒されるフェイン。
見上げるくらい伸びたフェインの背丈にうっとりしながら身をまかすシャラ。
いわゆる、花火のように瞬間的恋心が優しい愛情に変化していく関係し対して、
さながら、花火とは桁外れにパワーの違う恋の大噴火が頻繁に爆発しながら、
その根底には地球も焦がすマグマのような愛情が煮えたぎっているよう。
そして、当たり前のように、その恋と愛の結晶がシャラの中で誕生したのである。
少しづつ膨らむおなかに気が付いたふたりは喜びのあまり大騒ぎしてしまう。
父と母になったことで一体である実感は完成を見たのである。

128

感動の瞬間が訪れる。
いっぱいに膨らんだ愛の卵から今にも雛が生まれそうなのである。
破水から小刻みな陣痛まではすぐで、どうして良いのか分からず
おろおろしていたフェインも、今はシャラの手を握りしめ、
ぼくが付いてるぞと力強くシャラの名を連呼。
シャラも汗を滲ませ苦痛に耐えながら
にっこり笑ってフェインの名を連呼。
あれだけ愛撫しながらキスし語りかけ続けていたおなか越しの大人しい子が
生きるために精一杯愛する母親の腹に乱暴しながら、世界を目指した。
生き残った者達が作り上げる生命の世界へ。
フェインもシャラも赤ん坊もたたかっていた。
命が完成するために、生まれることを恐れないで、
叫んで、もがいて、苦しんで、運命をねじ伏せるように。
教えて貰わずとも分かってる。
命が生まれるということは命がけのことだから。
朝日が昇ろうとしていた。
その優しい光が三人を照らし出す。
天使のような産声だ。
フェインもシャラも涙を流して歓喜し、
よく頑張ったねとそっと口づけした。
女の子で、名前は朝日を意味するララと名付けられた。
フェインはだらしなくゆるんだ顔で眺めてしまう。
シャラがララを抱き 乳をやりながら綺麗な声で詩を歌っている姿を。
それがあまりにも優しく心地よいから、
ララは乳首を加えたまま眠ってしまうのだ。
シャラは瞬きするのも忘れるくらい眺めてしまう。
フェインがララを抱き 愛おしそう空が綺麗なことや海が素敵なことを語る姿を。
それがあまりにも 楽しくて幸せだから、
ララはきゃっきゃと大喜びして真似をするのである。
すくすくと明るく元気に育ったララはやがて2歳になり、
それと同時にお姉さんになった。弟ができたのだ。

129

あれからどのくらいの歳月がすぎたのだろうか。
燃え上がるような想いから、やがて
互いに 暖かい陽の光のような存在となって、
それは大きなひとつの関係となった。
子供達も元気に育って、島は賑やかになって、
シャラもフェインも昔よりは忙しくなり、
充実した生活を送っていた。
時間は流れているのだと、あまり自覚もないうちに…

130

大きくなった子供たちは、いかだを作り島を離れた。
ふたりきりになったシャラとフェインは
ゆっくりと流れる時間の中を大切に暮らしていく。
何度か子供たちが島へ戻り陸について話してくれた。
それに よると村の近代化が進み、電機が通り、車が入り、
若者たちは皆洋服を着ているという。
陸へ戻って一緒に暮らそうとも誘われたが、
シャラとフェインは島に残ると言った。
穏やかな夕焼けの海を見つめてふたりは手を握り合いながら肩を寄せ合う。
長くて短い刻の中、いつもそうしてきたように。
フェインは、ぼくはキミと出会うことが出来た最高の幸せ者だと伝え、
シャラは、あなたと一緒に生きた暖かくて素晴らしい87年間をありがとうと伝えた。
そして静かに目を閉じ、静かに眠りについたのだった。
ひたすら愛するために生きたシャラとフェイン。
体は消えてもふたりの心はひとつとなって、
今も島を幸せで包み込んでいるようだ。

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