O-Parts

171

俺は許せなかったんだ。この女と、俺自身とが。
「悪いけど無理」
高校時代、俺が慶子に告白した時の答えがコレだった。
俺は本気だった。部活でもよく話をしたし、何人かで
遊んでいる時だって、彼女は俺と一番気があってたと
思ってた。ムカつくところはあったが、それ以上に
頭ん中は慶子のことでいっぱいになっていた。
フラれてからも、俺はこのショックを忘れることが
できず、愛憎の念を募らせるばかり。
そしてついに臨界点を超える。
慶子が他の男とくっついたのだ。
気の弱そうな冴えない男。見るからに貧乏そうだし、
頭も悪そうだし、蚊も殺せなさそうな貧弱な面もち。
俺があいつより劣っていたってのか!
冗談じゃない! 俺は完璧な男じゃないが、少なくとも
あいつに比べれば一見して俺のほうが優秀なはずだ。
想いの深さだって負けない。
慶子があの男のガキを身籠もったと聞いて、
俺は決意を固めた。
慶子は大学へ向かう途中、近道の路地裏を通る。
人ッ気もなく、さらうにはおあつらえの場所だ。
薬で眠らせて誰かに目撃されないよう注意を
払いながら慶子を車に積み、ここへ運んだ。
ここはもうすぐダムの底に沈む廃村。
だだっ広いゴーストタウンの奥まった場所にある
内装が既に半壊したジム。
遠く上のほうでは工事の騒音が響いている。
どんなに悲鳴を上げたって誰も来やしないだろう。
俺は慶子の身に付けているものを全部はぎ取って
他の男に委ねた汚れた体を床に落ちたサンドバッグへ
くくりつけると、俺も衣服を脱ぎ、全裸になった。
「ひ! なによこれ! ほどいて!」
慶子が目をさました。黄ばんだガラス越しに射す
月明かりに照らされた慶子は、やっぱり綺麗だった。
「あ、あんた何考えてるのよ! もう付きまとわないで!」
慶子はパニックに陥っているようだ。
俺は慶子に出会ってからずっと、人生パニックだったぜ。
「あんた何勘違いしてんのよ、こんなことして
 私があんたのもんになるとか思ってんの?
 私の体、見ればわかるでしょ? 今おなかに赤ちゃんが
 いるのよ。妊婦犯して楽しい?」
慶子の声は裏返り、膝は笑って、その表情には
恐慌がありありと見て取れた。だが、弱音を吐かない。
許しも乞わないし、その眼光は真っ直ぐ俺を睨んでいる。
「ハッ、あんたなんか全然怖くないわよ。
 今、私は幸せなの。あんたフったのも間違いじゃ
 なかったと思ってるし。正気に戻りな! 今ならまだ
 引き返せるよ。これ以上進んだら、おしまいだよ!」
俺の決意は揺るがない。
ここで引いたら嘘だ。俺の想いがまやかしになる。
俺は持参した金属バットを握りしめ、他人を孕んだ
慶子の腹部へにじり寄った。
「そ、それで何する気! まさか・・・やめて!
 もし私の赤ちゃんに何かしてみな、殺してやる!
 絶対許さない! この人でなし! ウジ虫野郎!」
激しい興奮にかつてないほど俺はエレクトしていた。
破裂するんじゃないかというほど膨張した俺の息子に
充血の痛みが走る。見下ろした慶子の形相は
引きつって笑っているようにも見えた。
白くふっくらと膨らんだ彼女の腹の頂きへ触れようと
して躊躇。わずかに胎動したように感じる。
おまえは誰だ? 本来そこには俺がいたはずなんだ。
慶子の中は俺の特等席のはずだったんだぞ。
俺の慶子に対する想いの深さを知れ!
「誰か! 助けてェェェェ!!いやぁぁあぁぁぁ!!」
俺は瞳を閉じて、慶子の悲痛な叫びを堪能する。
今日はもう遅い。捜索が始まっても見つかるのは
早くて明日だろう。事は5分で済む。
そして一晩じっくり慶子は俺が本気で心を
かき乱されてきたってことを知るんだ。
バットのグリップを両手で強く握りしめ振りかぶる。
慶子の腹はマシュマロみたいに柔らかそうだった。
薄ら青い静脈が透けて見える。
今度は間違いじゃない。
目を凝らせばガキが動いてるのを確認できた。
俺が怖ろしいか? 俺も俺が怖ろしい!
そうだ、慶子、俺を見ろ! この瞬間、俺の姿を
目に焼き付けるんだ。一生後悔して生きろ!
血まみれになりながら一晩じっくり味わえ!
おまえのせいだ! おまえのせいで一つの命が失われる。
俺は息を吸い込んでから、力一杯、
中身をブチ撒けるまでバットを振り下ろし続けた。
俺自身の頭めがけて・・・。

172

私には恋人がいた。彼女は私が家庭教師のバイトを
していた頃の生徒のひとりで、随分と生意気な子だった。
生まれて初めての告白、
彼女はあっけらかんとして「いいよ」と答えた。
よく蹴ってきたりからかわれたりとナメられていたが、
それも今や尊い思い出だ。
一度彼女に私のどこが気に入ってくれたのか訊いたことがある。
「変な奴だけど、そこが可愛いんだよね、食べちゃいたいくらい」
私の心はこの少女に喰われてしまったようだ。
だが、おざなりな言葉だが、その幸せも長くは続かなかった。
もともと体が弱かった彼女は、つき合って半年後に急死。
冗談みたいに呆気ない最後だった。
私は彼女の死を信じられず、ご両親には悪いと思ったが、
遺体を盗みだし、叔父の別荘にあるアトリエに保存した。
私が大学で専攻し続けてきた研究に精神的拍車がかかる。
彼女をもう一度抱き締めるのだ。
あれから数年、私はクローン技術の推移を結集させて
ついに彼女の蘇生に成功した。
学会に発表するつもりはない。彼女さえいればそれで良いのだ。
黄泉帰った彼女には牙とシッポがあった。
生まれ変わった彼女を再び失いたくなかった私は
調整を繰り返し、他の動物のDNAも差し込みながら
丈夫で健康的な肉体を与えたかったのだ。
新しく生まれた彼女は私を見てキョトンとしていたが、
そのうち私に擦り寄ってきてきゃんきゃんと鳴く。
言葉は理解できなくなっていた。
私の事も憶えているかどうか怪しい。
しかし、その顔は彼女そのもの。
私は彼女を抱き締め、あのとき恥ずかしくて言わなかった言葉を
何度も何度も言い続けた。
二人の生活が始まり、止まっていた時間が流れ出す。
彼女はやんちゃで甘えん坊ですぐに噛みついて物を壊したが、
極端になっただけで、そんなところも昔からの彼女らしさに思えた。
だが、
違和感は次第に募っていく。
彼女が料理にあまり興味を示さないのだ。
代わりに動くものを追って捕獲するようになる。
最初は金魚、次いでスズメなどの鳥類、やがてネズミといった
小動物に手を出すようになる。
野生の捕食行為そのものだった。
ある晩、彼女を抱き締めて寝ている時、激痛と共に目がさめる。
何が起きたかわからずスタンドのライトを付けて
彼女の無事を確かめた。
彼女はなにやら口の中でもごもごやっている。
何を捕ってきたんだ?
プッと私の顔に吐き出したのは骨。
布団を払うと真っ赤に染まったシーツ、加えて
私の右手の小指が無くなっていることに気が付いた。
私は悲鳴を押し殺し、歯を食いしばって笑顔を作る。
彼女もいたずらっぽく笑って私の顔を舐めてきた。
そして手当もせず、そのまま行為に及んだ。
私はイく瞬間、肩の肉を少し食いちぎられる。
かつて経験したことがないほどの噴出を彼女の胎内へ爆ぜさせた。
彼女は悪びれもせず私の傷口を舐めている。
正気を取り戻した私は、身の危険を感じ彼女を処分しようと決める。
苦しまないような毒薬も用意した。
だが、ついに殺すことが出来なかった。
あの意地悪な顔で笑ってくれるだけで、
もう自分がどうなろうとかまわなくなっていたのだ。
それから毎晩、彼女は私の体を所々食べるようになる。
料理した肉は嫌いなくせに、生きた餌を喰うのは楽しいいらしい。
足の指、ふくらはぎ、二の腕、柔らかい部分を好んでかぶりつく。
私の口から思わず絶叫が漏れると、
彼女は驚いて喰うのを一時辞める。
その代わりセックスもできなかった。
彼女に肉体を啄まれながら及ぶ交尾は凄まじい興奮を覚える。
麻酔は使わなかった。
意識も失わなかった。
押し殺した声を情けなく漏らしながら、彼女の姿を凝視。
やがて視線に気が付いたのか、彼女の膣がぎゅうぎゅうと
締まりを強め、私の顔面に舌をのばしてくる。
顔を舐められるだけではなかった。
彼女のべろがまぶたををこじ開け私の眼球をなめ回すと、
あの愛らしい唇を付けて音を立てて吸い始める。
ぶちぶちと神経と筋の切れる感覚、そして視界が消滅していく。
私は彼女の頭を両手で鷲掴みにしたまま固まってしまった。
吸いちぎった私の眼球をガリガリと噛んだ彼女は、
それを不味そうに吐き捨てた。
私は彼女の中に射精していた。

彼女は私の子を身ごもっても獣のまま。
たぶん、私にとって、
今日が最後の夜になると予感している。
欠損の著しい肉体は、生命を維持する限界に違いない。
いよいよ糧となる日が来た。
彼女が私の脇腹にかぶりついて
無邪気に肉を食む。
鮮血で濡れた姿も可愛らしかった。
ショック死はしなさそうだ。
体が重くなる。
寒い。
自分の内蔵が見てとれるが、彼女は臓器はよけて
周りの肉を夢中で貪っていた。
目が合う。
あぁ・・・
キミにとって私は何だったのか。
私が消えたら悲しいか?
「変な奴だけど、そこが可愛いんだよね、食べちゃいたいくらい」
笑われるかもしれないが、
あのとき、私は、本当に、
キミに食べられてしまいたいと思ったんだよ。

173

今宵、お話いたしますのは、僕、八重樫愁弥の主であり
大恩のある円条寺家の、二人の美しいお嬢様についてございます。
円条寺は代々伝わる小間物の老舗で、方々名のある方からご愛顧賜り、
この土地一帯を仕切るまでに成りました。
そこに甘んじることなく旦那様は欧州への貿易で積極的に
日本の伝統を普及しようと、今この時も海外でご活躍されているのです。
その御健勝は反面、三人のお嬢様方とすごされる時間を摩滅させ、
ついにはもう1年もこちらのお屋敷に戻られておりません。
幼少期に奥様を亡くされたお嬢様方の心中を察すれば、
さぞ寂しい想いをなさったことでしょう。
僕の祖父は長くこちらのお屋敷に仕え六十で他界しました。
身よりのない僕を円条寺家は快く迎え入れてくださり、そればかりか、
学費や賄いまで面倒を見ていただいて、まったく旦那様には足を向けて眠れません。
ある時です。お屋敷で庭掃除をしておりますと、
壱子お嬢様が僕に気を止めてくださり麗澤な透き通った声で
「ご苦労様です」と声をかけてくださいました。
動転して自分の持っている竹箒に躓き、恥ずかしい姿をお見せしてしまった
僕でしたが、お嬢様はくすくすと笑いながら嫌な顔ひとつぜず
「うっかり者ですね」とおっしゃいました。
それから壱子お嬢様は恐れ多くも僕ごとき者に
会おうと、よくここまで足を運ばれるようになりました。
お嬢様は、それはそれは美しい方にございます。
漆黒の髪と黒目がちな瞳が一層肌の白さを際だたせ、
あまり魅入ると正体を失ってしまうのではないかと思うほど。
僕はそれを自覚する度、己の矮小を見透かされたようで、
なんとも情けない様を露呈してばかりでございました。
ある時、僕は庭の手入れから仕事を移るよう言われ、汲々と畏まります。
なにしろそのご提案が、壱子お嬢様自ら仰られたことだそうで、
どのような給仕も奉仕も悦んで行わせていただきますと、本意を申し上げると
「そう固くならないで、実はあなたに頼みがあって来たのです」
とつぶさに僕の萎縮を解そうと優しく語り始めたのでございます。
「頼みというのは妹たちのことなのです」
僕も壱子お嬢様の下には二人の妹様が
いらっしゃることは常々聞き及んでおりましたが、
いずれにもお会いしたことがないものですから、
まず雑念を払いお嬢様のお話しに専念いたしました。
雑念というのも、お二人の妹様は爾子お嬢様と美子お嬢様と
申しまして、これが壱子お嬢様に顔形背格好まで
そっくりなのだそうでございます。ただお二人とも
生まれつきお体が弱く、滅多に外へは出られないとのことで
僕ももう1年近くこちらにご厄介になっていながら、
いまだ一度もお顔を拝見したことがないだけでなく、
それとなくメイド達へ訊ねましても、まるで腫れ物を扱うように
口ごもるものですから、俄に察してそれ以上言及することもございませんでした。
あるいはいつも会いにきて下さっている壱子様は
本当は壱子お嬢様の振りをした妹様かもしれないと
妄想逞しく考えたりもしたのですが、
それでもやはり、
まるで覆い隠すような、有って無きがごとき扱いに
もしやどなたかの心が作り出した幻の者ではなどと、
下卑た憶測さえ脳裏を掠め、ひとりかぶりを振って
自らを戒めたりもしておりました。
これがその雑念にございます。
ところが、あの壱子お嬢様が神妙な面もちで仰るほどですから、
もはや如何なる顛末であれ妹様たちへのお勤めを果たそうと決意するのは
至極当たり前のことと捉えておりました。
「八重樫も知っていることと思うけれど、私の妹達は屋敷の二階
一番奥の間にいます。持って生まれた枷のために、
滅多に外へ出ることもかないません。
姉としては不憫でならないの。
せめて同い年の友達でもいれば寂しさも紛れようと・・・ねぇ八重樫、
おまえならあのこたちもきっと喜ぶことでしょう。
おまえにあのこたちの身の回りの世話をやってほしいの。
頼まれてはくれないかしら」
もちろん僕の答えは二つ返事の了承でした。
二階の長い廊下の先へ、僕は一人で進み、
ゆっくりと近付いてくる扉を確認しながら深呼吸。
考えまいとするほど目眩がしました。
壱子お嬢様の最後の言葉が思い出され一層冷静さをかき乱すのです。
「なぜあなたを選んだかですか?
あのこたちがきっと気に入ると思ったからですよ。
だってあのこたちは、私の妹なんですから」
扉の前、僕は上擦った声で告げると
「どうぞ、入ってきて」
と声が聞こえました。驚いたのは、その美声が壱子お嬢様とうり二つだったこと。
そして扉を開けるとそこには・・・
「あなたが八重樫ね」
「よろしくね八重樫」
アッと声を上げそうになりながら、僕は硬直してしまったのです。
そこには、確かに壱子お嬢様とお顔建ちがそっくりの妹様がいらっしゃいました。
ただ、そこに佇まれているのがおひとりなのか、おふたりなのか、
僕は即座に理解できませんでした。
お嬢様方は一つのお体に二つの頭を持っておりました。
「あら、その様子では私たちについて報告されていなかったようね」
「壱子お姉様もお人が悪いわ」
僕はこみ上げる嘔吐を必死で堪えて顔を赤くしたり青したりしながら
鎮座さてているお嬢様方の前へ跪くと、動揺し醜態を晒すまいとして震えながらも
虚勢を張り、自己紹介を行ったのでございます。
お二人が外へ出ず、屋敷の者たちが口噤むわけに合点がいきました。
失礼極まりなかった自らの不甲斐なさは、返す返すもハラワタが煮える思いです。
それでも気にしない風で大らかに接して下さったお嬢様方は、本当に
天女のようでございました。
天女と申すのも些か過ぎる表現だと感じられた方がいましたら、
それはまったく過ぎておりません。
実際、眼前にあのように美しく妖艶な姿で柔らかな言葉をかけられては、
どなたでも、この方は神聖にして尊崇の対象であると悟り、
ただただ自分を戒めることになりましょう。
僕と爾子お嬢様と美子お嬢様の暮らしが始まりました。
この部屋へ入ってくる者は三人をおいて何者もおりません。
必要なことは全て僕が行いました。
食事も掃除も献身的に手伝わせていただき、
外の世界の話をさせていただいたときなどは、
楽しそうに聞き入ってくれまして、感激至極でございました。
お風呂の時は恐れ多くもお背中を流させていただき、
眠るときまで、お側に仕えさせていただいております。
そのような日々を三月ほど続けた頃でしょうか。
僕は許されざる過ちを犯しました。
今、考えると、度し難いほど陰惨で愚かしいその所業。
それを、お二人のお嬢様に視られてしまったのです。
僕は、お嬢様の下着を握りしめながら寝静まったお嬢様の寝息の聞こえる
すぐ脇の布団の中で、自らを慰めていたのでございます。
お嬢様方は寝静まってなどおりませんでした。
不意に布団を剥ぎ取られ、お嬢様の無垢な四つの目に、
世にもおぞましい姿を映し、その神々しきを汚したのでございます。
僕は、治まらない勃起した恥物を両手で覆って泣いておりました。
いったいどれくらいの時間、何度繰り返し謝ったのか思い出すこともできませんが、
その時は、もう、おしまいなのだと感じました。
我が身などどうでもいい。ただ、壱子お嬢様の期待を裏切り、
爾子お嬢様と美子お嬢様の心を傷つけた報いは、
死をもってしてもあがなうことなどできますまい。
「八重樫、何をしていたの?」
もうしわけございませんお嬢様!
「何をしていたのか訊いているのですよ八重樫」
「私たちの肌着を握りしめて、こんな所で洗濯ですか?」
もうしわけございません! 如何なる罰もお受けいたします!
「嗚呼、八重樫、解っていますよ八重樫、何をしていたか。
ただ私たちはあなたの口から理由を聞きたいだけなのよ」
「釈明は必要ないわ、何をしていたか言えばいいの」
お、お嬢様を想いながら、、、自分を慰めておりました。
「私たちを想いながら、そのはしたないものを弄っていたのね」
はい! 申し訳ございません! 申し訳ございません!
「八重樫、あなたの頭の中で私たちをどうしたのですか?」
「私たちを犯したの? 八重樫、力ずくで慰み者にしたのでしょう」
申し訳ございません! 申し訳ございません!
「五月蠅いですよ八重樫、謝るのはおやめなさい。今度謝ったりしたら、
この事をお父様に告げ口しますよ」
「私たちはあなたにとても感謝してるの。日頃親身になって世話をしてくれて、
どれほど救われているか知れないわ。ねぇ、あなたも可愛い顔をしてちゃんと
年頃の男の子だったのだから、私たちはそれほどに不寛容な人間に見える?」
申し訳ござ・・・滅相もございません・・・。
「それにね、ちょっと嬉しいんです。だって私たちは見てのとうり
生まれながらにして滑稽な姿をしているでしょう?
それでも女として認めてくれたのだから。
想像の中の私たちは醜くはなかった?」
爾子お嬢様も美子お嬢様も、大変お美しゅうございます。
「そのいきり勃つものを見れば、あなたの言に偽りはなさそうですね」
「ねぇ、爾子お姉様、もう心も躰もわなないてるの、伝わってますよ。
だから、言ってしまいましょう」
「そうね、美子、覚悟は出来てるのね。・・・ねぇ八重樫」
・・・はい。
「私たちを抱いてはくれないかしら」

「私たちを、あなたの女にしてくれと言ったのよ」
そ、そんな事! 僕のような稚拙な俗物にそのような・・・そのような事!
「あら、想像の中で私たちを強姦しておいて、現実の本人が頼んでも叶えない。
そんな矛盾があるのですか?」
「爾子お姉様、きっと八重樫は壱子お姉様を想像して、あの肌着はその代用に
過ぎなかったのではないですか? だって頭が二つ、乳房が三つある女なんて
気味が悪くて抱けるわけないもの、ねぇ八重樫?」
「そうなの八重樫? 美しいと言ったのは一時の言い訳にすぎなかったの?」
僕は、分を弁えず、これ以上お嬢様を傷つけてはならないと
頭では思い知っているはずなのに、
それでも治まらない息子の充血に決意を堅め
おずおずと、お嬢様の床の中へと潜り込んだのでございます。
お嬢様! 愛しております! 僕はお嬢様にお仕えできて幸せ者でごさいます!
「あん、八重樫、あなたが愛しているのはどっちなのかしら?」
「うん、どっちでもないわよねぇ? 穴ならなんでも良かったのでしょう?」
爾子お嬢様、美子お嬢様・・・どうかお慈悲を・・・!
僕はぎこちなくお嬢様の膣の内を行ったり来たりしながら、また泣いてしまいました。
快感が電撃のように背筋を走り、愛くるしいお二方の漏れ出る嗚咽に
一層興奮し、はちきれんばかりに膨張させております。
「嗚呼、八重樫、憂いですよ、下半身は妹と神経が混線していて、脳に伝達
される快感が相乗的になるの。普段手足を動かすのは弐人羽織の要領なのだけれど、
こうなるともう制御できないわ。ひたすら意識に関係なく肉が感じるまま
勝手に動いてしまう。だから、奇妙な反応でも気持ち悪がらないでね」
僕はお嬢様の柔らかな乳房を右手と左手で夫々に揉みしだき、
残った真ん中の乳房を、三日母乳をおあずけされた乳飲み子のごとく
必死にしゃぶりついて吸い上げました。
「ひ、あ、あん♥ 気持ちいいですよ八重樫、駄目! もう・・・」
「爾子お姉様、達しますわ、さぁ、八重樫も一緒に!」
僕はお嬢様を力一杯に抱きしめ、奥の神秘の部屋へ精を放ちました。
僕は自分の頭を爾子お嬢様と美子お嬢様の首の隙間にうずめて
膣内射精をし続け、その間ずっとお嬢様は僕の左右の耳に口を付け
「沢山出てますね、八重樫の子供達♥」

「こんな身体障害を持っていても、ちゃんと絶頂するのだから
神様も業の深い方ね・・・でしょう? 八重樫♥」
「八重樫、腕と足が八重樫に絡まったまま動かなくなってしまったの。
今夜はこのままでいいかしら。もしまた吐き出したくなったなら、
いつでも好きなだけ、私たちにそそいでくれてかまわないからね」
などとため息まじりに言われるものですから、
その夜、僕は計六回も、お嬢様の子宮へ爆ぜたのでございます。
あれからは、毎日のようにお相手をさせていただき、
この上ない日々の充実を頂いております。
壱子お嬢様は、どうやらこうなることを最初から御存知だったのか、
やはりくすくすと笑いながら
「最近妹たちに笑顔が増えたようで、これも八重樫、あなたの
おかげに違いないわ。これからも、わがままをきいてやってね」
と申されました。僕は恐る恐る、御存知なのですかとうかがうと、
「私はあのこたちの姉ですよ」
しれっとしてお答えらになられたのでございました。
そうそう、
幸せな暮らしの中で、ひとつだけ上手くいかないことがございます。
惚気になってしまいますが、お二人と同時に接吻できないことです。

174

ニャラルト鉄子の大冒険
5.349KB - 6分12秒
コクーン088を声優 長瀬ゆずは様に演っていただきました。
ご協力大感謝です。
ファイルはQuickTime形式ですので、QuickTime Playerを 
お持ちでない方はネット上からフリーでダウンロードできます。
ニャラルト鉄子の大冒険(TV size)
1.178KB - 1分14秒
こちらはカット&ペーストで作ったショートミックスです♪

175

予め断っておこう。これは夢オチの話だ。
條は昭和56年7月18日、映画あしたのジョー2の
公開と同時に産声を上げた。鉄鋼関係の職に就く
父と、せわしないな母と、頑固な祖父との四人家族で、
それから2年後に生意気な弟を迎えて暮らす。
中高と千葉は印西で育ち、やがて東京へ出て
中野のボロアパートで生活を始めた。
和風ファミレス店のバイトで学費を稼ぎながら、
休日にはサークル仲間とフットサルをやっている。
バイト先の後輩である優子に恋をしてからは
2年間、七転八倒してついにゴールイン。
それから1年後、23で條は父親になる。
息子の名前は健太。條の幼少期に似た快活な子である。
就職先は積極性を活かした営業関係。
月収21万の週休2日制だ。先日は家族みんなで釣りへ行った。
「・・・ハッ!」
「どったの?」
條のとなりで寝ていた優子が驚いて訊いてきた。
「いや、今こわい夢見てた。内容おぼえてねーけど」

176

妊婦さん補給します。

177

男の子補給します。

178

獣姦補給しますにゃー。

179

中出し補給します、つか中出され。

180

shade8買いました。日記にも描いたんですが、
2Dのキャラクターに3Dの背景という、パンドラの筺的
手法に挑戦したのは、ぶっちゃけて言って苦肉の策でした。
ボクの絵が下手であることは、今後描き続けていく事で
有る程度の誤魔化し方なり憶えることができるでしょう。
ただ、ボクの絵のアキレス腱は単にデッサン力の問題では
ないということに気がつき始めたこの数年。
オフセット本『gigantea』でも、手に取って中を見ては
くれるが買ってはもらえないという現象を眼前で確認し、
つぶさに理解したのは「色のある絵は魅力があるが、
白黒になるとソレが失われる」という事。絵柄事態が
同じであるなら、問題は加工の段階にあると考えられます。
結論から言って「画面の密度」が薄すぎるという点です。
これは単に白い黒いのバランスでもなく、どの程度細部が
描き込まれているか、どのような空間に居るのか、
単純に表現すれば「背景の情報量」が足りない
と、そこではないかと考えてまして。
しかしながら時間も労力もそこに消費できないような現状を
鑑みるに、綿密で詳細な「作業」はおよそできそうもない。
そこで『さかあがりの森』では「作業」としてでなく、
背景を描く、それ自体を楽しんでしまおうと考えて、
あのような作品になっているわけです。
でも、あのやり方だと同じ場所を再び描くような場合に
やはりストレスを感じてしまう。ボクは絵を描くより
物語を創るのが好きな人間ですから、背景などの
説明要素は最小限で済ませたい。結果、そのために
絵がスカスカした感じになっちゃってました。
ボクの考えるエロストーリーの多くは、
芝居の舞台よろしく、セット一つで事足りたりします。
背景を描くこと自体を楽しむことができ、且つ同じ
背景をコマ毎に何度も描き入れる必要がないのが理想型。
・・・もう3Dしかないかと、そんな経緯なのです。
もちろんそうしたアプローチも「してみる」という程度で、
今後ボクの作品の傾向が3Dへシフトしていく
というわけじゃありません。
先に述べたパンドラの筺というフレーズに表れているように、
平面の絵と立体の背景が一画面に統合されながら
共存均衡を保つのは至難の技です。
相容れぬ二極のディメンションを角逐させないように
バランスをとるには、人物を三次元に近づけて描くか、
背景を二次元に近づけて描くかで、デッサン力の無い
ボクですから、おのずと忖度は後者になりました。
とりあえず試験的に今回のコクーンは異なる次元の
統合とそれによって起きる違和感を払拭すべく作りました。
モノクロマンガにおいては、CGでバックグラウンドを
入れている作家さんはまだまだ少なく、その手法による
デメリットを多くの人が重々承知している結果だとも
思います。今のとこ、オフセット販売を企画している
綾波本は、3DBGで処理する予定です。完成後は
是非、ご意見ご感想お聞かせ願いたい〜♪

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