冗談じゃない、こんなもの現実のわけがない。
でも現にわたしはこうしてここにいる。
この信じがたい異常な世界の中で・・・
走っても走っても、まだ目の覚める気配はない。
もう十分この悪夢を味わった。もう十分だ。
行けども行けども延々と続く密林の中をひたすらに突き進んだ。
泥沼に靴を取られ濃い霧に体を濡らしながらも突き進んだ。
そして、出会った。異形の生物。バケモノに・・・
無我夢中で逃げだした。
あんなもの、存在するはずがない。
誰か、助けて。
咄嗟に走り込んだ洞穴の中で足が縺れ転ぶ。
当たり前だった。日頃これほど走ったことなどない。
それも17才の、しかも女の足でだ。
疲労がズッシリとのしかかり咳き込む、息がまともにできない。
暑い・・・汗が吹き出して止まらない。胸が苦しい。
その場に倒れたまま・・・しばらくしてふと気が付く。
洞穴の奥から何かの気配が漂っていることに・・・
まさか・・・
ゆっくりとそれが近付いてくる。明らかに人でない何か・・・
「(逃げなきゃ・・・)」
足がガクガクと震えて力が入らない。
焦燥のあまり自分をコントロール出来ずにいる間にそれは
すぐ手前の闇からその実体を私の眼前に現わしていた。
まるでウナギ、その藍色の肌、特に頭部と全身の皮膚感覚はそっくりに見える。
首から下へ行くにつれて太くなる胴体の両脇には
オレンジのラインが入り、またその下半身と相まってウミウシをイメージさせた。
私はそのあまりにもおぞましい奇怪な生き物を直視し、
驚きと恐怖に身動きできないまま声にならない声を綴るしかない。
それは2メートルはある巨体を伸ばしたり縮めたりしながら近付いてくる。
"ウルルルル・・・"
鳴き声だ。無気味な、ただただ無気味な鳴き声。
「あ、、、い、いや、、、たすけ、て、、、」
怪物の方を向いたままへたり込んでいる私とそれとの距離は、
ついに爪先との差が無いほどに接近。その顔には何の凹凸も無くノッペリとし、
白色の眼球のようなものが左右に二つづつ。顎の下からは太くて短い触覚が二本。
そして下半身に開く六つの穴。その穴が何のために付いてるのかはすぐにわかった。
その穴全てからズルズルと体液でネバついたタコの足のような触手を出してきたからだ。
触手は怯える私の居場所を探るように伸び、ふくらはぎにヒタッと触れた。
「ひっ、、、」
その生暖かい感触にビクッと身体がこわばる。
恐い・・・恐いよ・恐い・・恐いぃ・・・・
6本の触手は、泣きながら混乱する私の足を伝って、だんだんと付け根のほうへ進んで来た。
それはまるで大きな舌で舐めずられているような錯覚に捕らわれ、頭の芯が痺れていく。
仰向けに寝そべり、自分の上に怪物の頭が来るところまで悟ると、
もう又を閉じる気力も残っていない。ただ怪物のなすがままにされているしかなかった。
そしてついにスカートの奥で触手の一本が、その終点を探り当てる。
毛の薄い私のそこが、まだ乙女であることを知ると、嬉々として白い最後の守りを脱がして・・・
「や、あ、た、た、た、っけ、たす、け、て、」
冷たい汗がベッタリと私を包み、呼吸すらままならない私の咽から漏れるのは哀れな懇願。
「お、、、おねが、、い、、、」
怪物の下半身に目をやるとそこには触手同様体液でネバついた男根が
はちきれんばかりにそそり勃っていた。もう目を開けていることすら出来ない。
殺されるだけじゃない・・・食われるだけじゃない・・・これから行われる恐ろしいこと・・・
触手たちは私の腹を伝い、ブラジャーを剥ぎ取り、首筋に巻き付いた。
これから何が行われるのかなんて理解したくない。正気じゃいられなくなる!
全身を這いずりまわる気色の悪さにピクッピクッと反応する私。
滴る肉の棒が剥かれたクリトリスの先に触れると思わず、
「ひんっ!」
と小さな悲鳴を漏らす。だが非情にも彼の男の部分が私の女の部分へと容赦なく入ってきた。
"みぢっ!"
あまりに残酷な初めての男の味。汚れを知らなかった膜はあっさりと弾けた。
"ぢぷぷ・・ぷ・"
「ぎっ!、ひぐぅぅぅっ!」
下腹部には刺すような鋭い感触の後、じんわりと熱を持った痛覚が広がっていく。
裂けんばかりに見開いた目のまわりから止めどなく涙は溢れ、
この 成長しきっていない少女の肢体を弓なりにたゆませて叫ぶ。
「い、いやぁぁっ!、死ぬっ、死んじゃうぅっ!」
触手はぐいぐいと小さく柔らかな女の肉体を締め上げ、その粘液にまみれさせていき、
怪物本体もその快楽に狂喜しながら雄叫びを上げた。
私の何も知らなかった最も深い場所で、純血を絡み付けた彼が激しくのたうつのを感じてとれる。
「あ、、ぎゃんっ!、、ひぃっひいぃぃいんっ!!」
もう何が起きてるかなんて分らない。もう・・・何も分らない・・・
そしてついに、幼い身体と精神、そして怪物の快感が限界に達した時、
"ごぴゅっ!"
「-----------!」
奥の奥で爆発する信じられないほどの熱い衝撃、
私の意識は真っ白に吹き飛んだ。