7.生き物を生やした生き物

このただただ悪夢のような世界では正気こそ毒。
彼等異形の者たちとまぐわり、清純を汚されてからというもの、
落ち着けば落ち着くほど心を抉られていった。
助けてと懇願しても悲鳴を上げても、ケダモノたちを喜はせるだけ・・・
生きていくことを放棄する勇気もなく、気がふれて分らなくなることもなかった。
そんな時、新たにこの世界で生きていくための目的が生まれる。
生まれながら知っている肉体に宿る本能、苦痛を快楽に変えてしまう行為。
交尾するということ。
きっと本当は狂ってしまったのかもしれない。
それでもかまわない。もう恐怖も苦痛も味わいたくない。
きっといつか来てくれるに違いない救助隊を待つ間、自分を守るための手段。
彼等の世界では、私が彼等と仲良くなればいいのだ。
彼等は私を殺したり食べたりする気はない。ただ子孫を残したくて交配する。
私自身がその行為、SEXを楽しむことが出来れば共存は可能ではないだろうか?
彼等に押し倒されるとどうしようもなく体は疼き、ヤりたくなる。
突っ込まれた瞬間から肉欲の虜となって、他の何も考えられなくなる。
そして子宮の奥に何度も何度も流れ込む精虫の津波の味はもう・・・
とにかく彼等が出す瞬間は、必ず私もイッてしまうのだ。
そしてその直後に訪れるゆったりとした柔らかいまどろみと、
終わった後のフワフワとした真っ白な安らぎ・・・
もう、あれのためだけに生きていくしかないのだ・・・
ようやく見つけた木の実にかじりつきながら、私は既に新しい怪物に目を付けられていた。
細長い頭部を突き出した、手足の関節が人よりひとつ多い生き物で、
背中に食虫植物のウツボカズラをたくさん背負っている・・・いや、違う。
これは植物じゃない。ヒョロヒョロ触手を動かしながら呼吸している。
彼は寄生されているのだ。背中から生き物を生やしている・・・
「う・・・」
思わず目をそらす。よく見ると寄生虫の幼虫と思われる小さな生き物が無数に
まるでツクシのように親寄生虫の廻りから生え蠢いている・・・直視できないほど気色悪い。
そんな私をよそに盛りついた彼は亀のようにノロノロと近付いてきた。
高ぶる気持ちを押さえられない。
・・・ヤるの?・・・私・・・これと・・・
ドキドキときめいてる・・・やっぱり私は狂ってる・・・
どうしようもない変態なんだ・・・
あそこはもう濡れ濡れになって、彼を待っている。
・・・もし彼との性行で、私にも寄生虫が生えてきたりしたら・・・
ゾクゾクッと悪寒が走った。寄生虫とその幼虫を見ながら唾を飲み込む。
この狂った少女は又を開いて寝そべり、上へ被さってくる彼の胴体を挟み入れると、
彼の生殖棒が秘裂へと潜り込んだ。
「く、、、あぁ!」
私の口から悲しみとも喜びともつかない叫びが歌われ、彼を酔わせる。
淫獣は奇声を上げながらぎこちなく腰を揺すり、女の中でペニスを上下させた。
その快感が伝わっているのか、背中の寄生虫たちもキリキリと鳴き出し、
この2人の性器の結合部からは、ぶつかり合う肉のリズムに乗っていやらしい音が鳴り、
ここ一帯を騒がしく演出している。
「あ! あ! うん! ふ、、んん!」
粘り着く絡み合い。恥ずかしみと入れ違いで、新たな私が覚醒する。
"ぐちゅ、、ぬちゅ、、ぬぐちゅる!"
体からは汗が滲み、このおぞましい怪生物は少女の成長しきっていない胸の膨らみを
揉みしだく。ぬめる巨体を持った彼との子作りは、まるで全身しゃぶられているかのよう。
「はぁ! も、、もぅ! あ! んぁあ!!」
激しさのテンポは加速し込み上がる劣情の中、その瞬間を覚悟した。
「来る! 来る! 来るぅっ!!」
"ぐびゅるっ!!"
「!!------------------------------------」
・・・出て・・・る・・・
"びゅる、、、びゅる、、、びゅくんっ、、、"
「、、、ぁ、、、、ぁ、ぁ、、、、ぁ、、、」
全てを奪い去る陶酔感に包まれながら、熱く濃いい精子のジャムは、
まだ私の赤ちゃんの出来る部屋に注ぎ込まれている。
力を抜き、息を吐きながら彼の子供たちを受け入れるこのすべやかな肢体は小刻みに震え、
腿肉をわななかせながら、余韻を堪能しつづけた。
「ハァ、、、ハァ、、、ハァ、、、フゥ、、、」
潤んだ瞳のまま彼を抱き締めると、両足の先っぽにあの寄生虫たちを感じたが、
今はまったく不快感がなく、むしろ愛おしくさえ思える。
私はゆっくりこの怪物にキスをした。
もちろんファーストキスだった。

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