19.肉の植物

ヒィィィィッ! ヒィィィィッ!
まるで発狂したみたい彼の金切り声が近付く。
溶岩が固まったような黒く流れのある断崖を
慎重に降りて、私は予測十日目の再開を果した。
私は最近、特定の相手が何人かいる。
彼もそのひとりで、もう4回ほどつがった仲だ。
彼との関係が続いている大きな理由のひとつは
探す必要がないこと。いつもここから動かない…
いや、動けないのだ。
いったいどういう理由でかは不明だけれど、
彼の上半身は今降りてきた断崖の亀裂に挟まれ
下半身だけ地上に投げ出した姿で、長く長く
ここに括り付けられていた。
おそらくは足をすべらし落ちて亀裂に挟まって
しまったのだと思う。その際やぶけた皮膚から
内臓が飛び出し、亀裂の両面に貼り付いたそれらは
長い時間をかけてそのまま安定してしまった。
亀裂の奥に見える大きな口はだらしなく開きっぱなしで
中には虫の死骸などがベッタリと貼り付いている。
手も足も退化して枯れ木のようなのに、投げ出された
下半身はブクブクと肥満し、血管の浮き出した
黄色いぜい肉が酷く醜悪に見えた。
ヒョロヒョロと細長いものが体から伸びて
根のように辺りを這い回っており、まるで
植物のような印象さえ受ける彼だが、
近付いて優しく触れると、その暖かさ、鼓動、熱い息で
動物的生命力をビリビリと感じることが出来る。
胸がキュンと締め付けられた。
彼は私と同じでひとりぼっちだった。
だから教えてあげたかった。これからは私がいることを。
私の力で救うことができないのなら…せめて…。
「ほのかがきたよ」
ニッコリして既にはち切れそうなくらいそそり立つ
おちんちんを、サラサラと前髪で撫でながら私は言う。
「相変わらず大きいね、おなか突き抜けちゃいそぅ♥」
両手でずっしりと重く詰まった睾丸を持ち上げてキスする。
「これからこの子たちみんな、私のおなかの中に来るんだね…」
彼の自然精排する限界が十日だ。今日、前の射精から
丁度十日目。一番子種が濃厚な日、そして私は危険日だ。
ブヨブヨした彼の躯によじ登って切なそうに許しを乞う。
「つ、繋がるよ…いいよね? 赤ちゃん…作ろ♥」
彼にまたがり、洪水のように濡れた私のアソコはゆっくりと、
そのまったく無抵抗な勃起物を飲み込んでいく。
深い。地面に足が付かないため体重が乗り、根元まで突き刺さり、
ぜい肉に私の小さなおしりがうずまる。
内腿に汗と体液で感じる密閉した一体感、
私は息を吐くようにして、繋がりに神経を集中した。
「動くよ…感じてね…」
ヒィィィィッ! イヒィィィィッ!
あの気の振れたような奇声を上げて口に付いてた
虫の死骸を私のおっぱいに飛ばす彼。
私は本能に委ねた野生のダンスを始めた。
常に重心を結合部に置き、体重をかけて腰を前後する。
これが私の基本フォームだ。そして時折石ウスを引くように
ゆっくりと左右五回ずつくらいの回転を加える。
繋がったまま彼に背を向けるよう体勢を変え、
空を仰ぐように肢体を伸ばす。私のおへそのところが
彼の剛直でぽっこり膨らんでいるのを上からさすって、
今度は腰を上下に動かす。入れるときは素早く、ずぷん!と
押し込み、浮かせるときは握って持ち上げるくらいの
つもりで膣に力を込める。彼がイキそうになると
動きを止めて、波が去るのを待った。
最初の波で出してしまうより、三度目あたりの波まで
我慢させてから出すほうが、量も勢いも凄くなることを
私は学習していたのだ。波が去ると睾丸を少し痛いくらい
握ったり刺激したりしながらピストンを続ける。
私の白いおなかが、彼のおちんちんの形にそって変型してる。
意識して亀頭の裏筋部分を刺激する感じ。なによりなるべく
幸せな表情で良がっている様を見せつけていること…
これは愛があって始めて気持ち良いのだということ…。
ギュウギュウ膣ヒダでしゃぶりながら全身をねじったりして
自分もイく寸前まで持っていく。
「あっ♥んぁあっ! 出して…赤ちゃん出してぇっ!」
先走ったカウパー液の噴出を感じた瞬間。本流を受け入れるため
限界まで腰をうずめる。そして…
ゴビュルルッ!!
私は脱力してイキながら下腹部に手を置く。
おびただしい灼熱の濁液を発射し続ける肉棒。
それをおなかの肉を上から押さえてコントロールする。
まず無防備な子宮に力強い直射を受け、ひとつの迸りが
出し切った瞬間、下腹部を掌を使ってギュッと押え、
中で頑張ってるおちんちんを圧迫する。そしてすぐに
力を抜き、次ぎの発射を受け入れる。この断続的な動きを
タイミング良く繰り返すことで、精虫の逆流を防ぎ
彼は自分の出した汚濁で不快を味わうことなく、
赤ちゃんの「もと」を一滴として無駄にせずに
私の子宮は彼のもので塗りつぶされていく…。
イグアナ人間に調教されたのも、
まんざら無駄ではなかったのだ。
心地よい余韻を堪能しながら、ドロドロが詰まって
膨らんだおなかを愛おしそうにさすった。
また十日後、いっぱい慰め合おうね♥

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