24.我が子(その3)

躰を通っていったプーニャを自分の中にまだ感じる。
もう涙も枯れてしまったようだ。
残された子、タンポポは更に脱皮を繰り返して、
母親である私の体長を優に超える大きさとなり、足も生えた。
それでもなかなか私におっぱいを返してくれない食いしん坊だ。
力も強く、時折、絞るように激しく泣き声を上げて、
この狭い横穴の中でノタ打ち、非力な私を吐け口に
暴力を振るった。しばらくして落ち着いたその子を
恐る恐る抱き締めながら優しく撫でてキスをする。
私は私たちのために糧となったプーニャの分も
いっぱいこの子を可愛がった。
このふくよかで柔らかいおっぱいも、
タンポポの食欲の前に、あっという間で
ぺっちゃんこになってしまう。
私はこの幼い少女の全身でこの子を愛撫し
愛しい言葉をいっぱい聞かせた。
脱皮期が終わったのか、モコモコと丸くなったタンポポは
肉の繭へと変態する。黒い心臓のような形で、ベタベタと
粘液を纏い、私の体に貼り付いた肉繭を、細く白く窶れた
両手足でしっかり抱きついて一日半。
我が子の新しい姿を夢見る。
熱く激しく進化している…。
私の頬で、首筋で、胸で、腹で、内腿で感じてる。
肉繭の中の命を。
そして黄色い濁液を捲き散らして産声が轟いた。
子守唄の終わりと共に飛び出したタンポポは
手足を持った逞しい成虫となっていたのだ。
一見トカゲのようだが首がないのはカエルのようでもある。
四つん這いでガッチリとした手足、短くとも太い尻尾。
赤茶色の皮膚に白っぽい喉、胸、腹。 相変わらず目は無いが
ちゃんと母親は分かるようだった。
「おいで…」
私の倍はありそうな我が子がノソノソと近づき
甘えるようにすりすりして来る。
その愛おしさに私は思わずギュッと我が子に抱きついた。
しかし…
「…タンポポ? タンポポどうしたの?」
この子の様子がおかしい。
ハァハァと息を荒げてよだれを垂らしている。
そして…
「!………そう、そうなのねタンポポ」
下半身には、ぎんぎんにイキり立つおちんちんが
その高ぶる狂おしさの吐き出し場所を求め彷徨っていた。
驚くことはない。やはりこの子も淫獣なのだ。
母親とはいえ若い雌を目前にすれば、当然の発情である。
はちきれそうで痛々しい息子は母親に慰めを訴えていた。
私の決心はあっさりしていた。
ゆっくりと、このしなやかな指でオナニーを始める。
タンポポは開かれた女の「そこ」に釘付けだ。
「ほら…ん♥…ここが女の子の大切なところ…
この肉の蕾の奥に、あなたの生まれた
赤ちゃんのできるお部屋があってね…
その卵に… 男の人の出す赤ちゃんの原液が混ざるとね…
…命が…感染するの…」
私のここは、しとどに蜜を溢れさせ、熱く火照っている。
「大丈夫だよタンポポ…怖がらないで…
おちんちんが痛いんでしょ? ここがそれを処理する穴なの…
おなたが生まれてきた場所よ、ほら…もう一度
ママの中においで…」
タンポポは、股を開いて上向きに寝そべった私にのしかかる。
ヅププ…
「そう…そこ、うんっ!…あ…入って来る…」
じゅぷりっ!!
「んはぁっ」
繋がった。
あとはもう何も教えなくて良い。
本能が知っている。
無我夢中で母の中をかき回す我が子に
壊れた玩具のようにカクカクと躰が揺すれた。
まるでこの少女の小さな腰が、自分のものでないような違和感。
しかし快感だけは脳天を突き抜けて、意識を天に押し上げる。
枯れたはずの涙が流れ、よだれを垂らし、ピストンの度に
息子の暴威が膣深く、腹の底の底を突いて、突いて、突いて…。
全身に走る戦慄。心は背徳の重みで切り裂けるような激痛。
息が出来ない。視界が吹っ飛ぶ。脳みそが焼け溶けていくよう…。
瞬間。最低の最高が爆発した。
ごびゅるるぅぅぅッッ!!!!
出た。
驚くほどいっぱいのホットゼリーが流れ込んできた。
新鮮な精液が爆出して、小さな下腹部がみるみる膨らんでいく。
その感覚は気持ち悪くて吐きそうなのに…嬉しくて愛しくて…
おなかがポカポカする…中で沸騰してる♥
タンポポは母親の中で童貞を処分したことで、
まるで怒りが引くような満足感に浸っていた。
隙間無く合体したまま、ずっしりとのしかかる男になった我が子。
抱き締めてやりたいが身体に力が入らない。
鉛のように重い彼の肉体が、
ガニ股で大の字に仰向けになっている白い肢体に
ベッタリと貼り付いて、平静を取り戻しつつある
動悸と息遣いがダイレクトに伝わり私を安心させた。

成虫となり、彼にとって母親は精子の便所に変わった。
肉欲と破壊欲が混在し、身に付けた怪力は
横穴の口を塞いでいた土塊を退かしてしまったことでもわかる。
外へ出てからも、何時何処だろうと求めて来て、
何度も何度も生殖行為を繰り返した。
これで私は自ら子供を食い、自らの子供と交尾し、
そして、自らの子供の実を孕んだのだ。
もはや恐れるタブーは何もない。
永遠の楽園を手に入れた気分だった。

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