ここでは時刀 純のイラストが出来るまでを追ってみました。
御存知の通り、シチュエーション一点突破のボクは、本当に絵がヘタでして、
画力はもちろんのこと、テクニックの面でも参考にはならないと思います。
なので、ボクがどうやって描いているか一連の流れを見ていただいて、
現場の雰囲気を味わってもらおうというのが趣旨でして、ついでに
スペランカー(洞窟探検者)気分で自分の作業工程を客観視してみるのも狙いです。
「ああ、違う違う、時刀はわかってないなぁ」とかツッコミを入れながらお楽しみください。

フェイズ1『何描こう?』

さて、とりあえず描く予定の絵は沢山あるんですが、何から描くか考えなくてはなりません。
折角描き方をやるならペン入れからカラーまでなるべく手間のかかるものがコーナーとしても
いいでしょう。そこでDLsite.comにて次回販売を予定している『犬巫女』復刻版の紹介絵
とか描いてみたいと思います。本来シンプルで色数が少なく彩度の低い絵が好きなんですが、
DLsite.comは小さい画面で多数列んでいる他のDL作品の中から選んでもらわなくてはならず。
結局細かいところで絵の密度を稼ぎハッタリを効かせるのが常套手段のよう。それを加味して
適当に全体の構図とかをフィーリングでノートにメモしたりします。

何が何やらわからんですね。でもまぁ、作者がわかればいいのです。一応説明すると、
アイヌの女戦士が森の中、泉から突き出した岩に座っている、みたいな。左上の横棒は
最近邪界ニドヘグのイラストに入れているタイトルロゴで、配置変更を右の絵に修正。
右下がポーズで、腰のところにアイヌ模様の布をフワッと乗せようかなとか考えてます。

フェイズ2『鉛筆で下書き』

ペン入れを考慮し漫画用原稿用紙(アートカラー)にBの鉛筆で描いてきます。下書きすると

こんな感じに。背景に関してはペンタブレットで直接パソコン画面に描き入れる
予定なのでここでは人物だけです。体型の調整で手こずり約20分かかりました。
DLsite.comで人気上位を占めているのはむっちり勢が中心のようで、
ボク的に気持ち太めに描いたんですが・・・あー、それでも細いですよねー。
左右膝から下の足の長さが合ってないようですが、一応遠近法のため
わざとそうしています。デッサン力の無さは思い込みでカバーしましょう。

今、深夜4時半ですが、もちろん今日も朝から出勤です。こういう
無茶な作業は体を壊すので皆さんは真似しちゃだめですよ。
ちなみに今回の絵を描くにあたって聴いていた曲は
!!!/Louden Up Now
Flying Rhythms/Do The Waves
どちらも生楽器のざらついた音色がちょっとエスニカルで、アイヌっぽくはないけど
集中して楽しい作業時間を送ることができました。良かった良かった♪

フェイズ3『ペン入れしよう』

さて日付変わって2006年3月28日。東京は桜が七部咲きって感じでしょうか。
今日もお仕事頑張った自分を鏡の前で褒めつつ適当に晩飯を済ませてペン入れします。
ゼブラのGペンとPILOTの証券用インクを使用。カリカリいう音と墨の香が心地よい。

詳細な書き込み、例えば柄だとか皺だとかがないので、だいたい10分で終了。
またしてもスッポンポン絵になってしまいましたね。好きだからしょうがないんです。
今回は髪の毛をパスで描こうと考えてまして、輪郭と顔以外はペン入れしてません。
消しゴムをかける前に鉛筆画をスキャンしておいて、あとでレイヤーに挟んで
パスのアタリにしようと思います。絵を描かない方には何のこっちゃですよね。
パスやレイヤーについては次回説明しますので。

消しゴムかけは簡単そうでいてなかなかムズい。大雑把に紙の上を行ったり来たり
すると原稿が折れたり、かといって一方向に使うと摩擦熱でゴムが割れたりする。
そこでボクは小刻み且つ高速に原稿を撫でるみたいな消し方をします。
ただこれも漫画用原稿のような頑丈な紙でないと表面が毛羽ってしまう諸刃の技。
ちなみにここまでの作業で聴いていた曲はコレ。
The White Stripes / The Nurse
Underworld / Cowgirl<Bedrock Mix>
食事は玉露庵というお茶と駄菓子屋さんのきなこ玉。

次回はパソコンに画像を取り込んでみましょう。

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