巫女塗りです。ひょっとすると一番楽しい作業かもしれません。
とにかく奇麗にしてあげようと愛とかアレとか一杯にして取り組むのです♪
フェイズ6『ペタ塗りしよう』
ペタ塗りとは、アニメのようにムラなく均一な塗り方をすることを、ボクが勝手に
呼称したもので、ここでは彩色の最初の下地を作る部分を意味します。
新規レイヤーを線画の下に敷きバケツツールで全面薄い緑色に塗ります。
そして線画を乗算にすると白い部分が透明になり、下地の緑がオモテから見えました。
ボクの彩色はまず肌を白く塗ることからはじめるので、これはそれを
わかりやすくするための下準備というわけです。薄い緑色にしたのは、長時間かかる
作業なので、目にやさしい色を選んだってことで。
線画と下敷の間に新規レイヤーで「肌」を用意。ボクは真っ白な肌が好きなので
容赦なく純白を塗っていきます。ブラシは「シェイプ」で「滑らか」を選び
まず塗りたい部分を白色で輪郭線の内側に添いながら描き込んでいきます。
塗りたい部分がその線で囲われたらバケツツールで塗りつぶし、線と塗りつぶしとの
境目を埋めていきます。一通り塗り終えたら一時的に下地レイヤーの緑色をグッと濃くし、
境目の塗り残しがないか、また輪郭線からのはみだし箇所はないか等、ルーペで拡大確認。
キレイに肌が塗り終わったらレイヤーの「ロック」から一番左にあるボックスにチェック。
すると塗った部分以外にマスキングがかかって、彩色がしやすくなりました。
同じように新規レイヤーを作り、「線画」と「肌」の間に「目」「リボン」を用意。
目は瞳だけ茶色に、リボンは赤基調なので、そのまま赤く塗っていきます。

ここでは身につけているものはリボンだけですが、もし服があるなら「服」レイヤーを、
手前に家具があるなら「家具」レイヤーを、といった感じに塗り分ける物毎にレイヤーを
別々にしておくと、後々の修正が容易になります。でもあまりに多いと混乱するかも。
ここまで30分かかりました。聴いていたCDを入れ替えて次のステップへ進みましょう。
フェイズ7『影をつけよう』
これは極端な持論ですが、魅力的な絵が描ける人はエロい人です。
まずは皆さんエロくなってください。エロくなりましたか?
どんなに凄いデッサン力があっても、どんなに豊富なテクニックがあっても、
結局集約されるのは「何を描きたかったのか」だと思うのです。
だから表現力より前に表現の欲求が必要で、それが濃く深いほど魅力的になる。
それはもうちょっとやそっとのこだわりではなく、病的なまでの執着。
女体でなくても良いんです。洋服の絵でも戦車の絵でも、もはや好きを通り越して
フェチズムの領域にまで踏み込んだ人ほど凄い絵を描く。これが性欲なのだから、
描いててエキサイトしてくる。そんな試行錯誤に憑かれて描くのだから
どうしたって絵も掘り下がって深くなっていくわけです。
ボクの場合は細い女の子への執着が異常であると自覚していて、
それこそ細さをシンボリックに表す鎖骨や肋や腰骨、下腹部のラインなどのパーツには
愛を持って挑みます。影はこれを顕著に見せる重要なファクターとなります。
影を塗るときに使いやすいブラシを編集しておくと良いでしょう。
まずブラシプリセットから新規に編集でエアブラシのふわっとした筆を作ります。
さらに筆らしく毛先を斜形の楕円に。楕円というブラシは機能として選べるのですが、
こっちから見て右肩上がりのものしかなく、日本の書道文化に慣れ親しんでいる
ボクとしては左肩上がりが使いやすい。こうして作ったブラシを強度やサイズ違いで
多数バリエーション用意してやると、指先や太ももなどで使い分けが出来て便利。
一通りできたらタブレットの筆圧をONにして、毛先を硬めに設定します。

これで毛筆っぽい塗りができるようになりました。ペインターが欲しいけどまだ買うだけの
お金がないボクには、ハッタリ効果が出せてうってつけの設定です。
早速ぬりぬり始めましょう♪
絵によって順序は異なりますが、このような人物描写のみになると大抵肌から色を置いていきます。
水彩画と同じ要領で、薄い色から入れていき、段々と濃い色へとパレットを移動。
明暗の度合いを予想したい時は、一時的にザクザクッと濃い色を先に置いてから作業する場合もあり。
ボクは光の方向は基本的に左上からしか描けませんので(情けない)、それを考えながら彩色。
エアブラシのぼかし幅が少ない筆・・・つまりカッチリした塗りを先に入れ、ぼかし幅の大きい筆、
ふんわりした塗りを後から入れていきます。使い分けは凹凸が極端か滑らかかの差だと思う、たぶん。
影が塗り終わったら乳首やおへそを付けて、最後に間接あたりに淡いピンクのエアを吹きかけていきます。
白いですね。闇と光のコントラストが強い場所では影もくっきりして、そのほうが女体の起伏がはっきりする
だけにエロみを増したりするので、そんなシチュエーションにも絵描き様には挑戦していただきたい。
肌の次は髪に行くのですが、髪はパスで塗りつぶしなのでスルーです。
とゆーかボクは髪のツヤとかどうやっていれるのか知らず、ほとんど独学に基づいていて、たとえば
ゲームキャラによくあるきめ細かい光沢とか、さっぱりです。全部パスでやってるなら大変な手間だなぁ。
リボンを塗って全体図を見て陰影のバランスを取ったら、最後に目を入れます。
目は瞳の中心の黒いとこを入れて、照り返しを加えれば出来上がり。
キャラによってはグラデーションが入ったりもします。

影塗りに気がつけば2時間かかってました。これで人物の影が入ったのですが、
均一な影なので、後に全体に薄くグラデーションを引くことになります。
それは背景が終わってからなので、ひとまず次の行程へ。
フェイズ8『線画の色を変える』
元々ボクは輪郭線の色は黒でクッキリみせたい人たんですが、折角のコーナーですし、
試しに変えてみようかななんておもいまして。
もし輪郭が太めのガッチリした線なら肌に面している線は肌色系、髪に面している線は髪色系
というふうに変えたりします。その場合はブラシで線を塗っていく方法が吉。
やりかたとしては、まず線画を全体コピー、レイヤーからチャンネルへ移行して
新規チャンネルを作成、そこへペースト。選択範囲から選択範囲を読み込むを選び
アルファチャンネル1を選択。新規に作成にチェックが入っていることも確認してOKをプッシュ。
線画の白い部分が選択範囲なったら、レイヤー→レイヤーマスクを追加→選択範囲をマスク。
これで線だけを濡れるようになります。
ただ、鉛筆線など、淡い主線を扱う場合は、塗りで中間のトーンも潰してしまったりするので、
単純に線画の色を変更し、光が強く当たっている線を消しゴムなんかで薄くしていくのが吉。
多角形選択ツールで体だけを選び、イメージ→色調補正→色相彩度→色彩統一で赤くしました。
これでアイヌの巫女、推参です。
さて今回作業する間聴いていた曲は
Bjork / Human Behaviour<The Underworld Mix>
Cornershop / Music Plus 1
Leftfield / Phat Planet
Bedrock / For What You Dream Of<featuring KYO>
Aphex Twin / Aphex Airlines
・・・暗いですかね、ボク。かなりダークネスでカオティックな選曲。
でも大丈夫、元気です。
次回は最終章、背景です。