14.麗香

虫の全身から放つ異臭と、麗香の甘い香水の香りが絡まり
生理的嫌悪の究極的事象であり、
殺されるより残忍で低俗な行為が始められる…。
頭では嫌というほど理解し恐慌しながらも、
まるで反発するがごとく、既に男を知っているその穴は、
だらしなく蜜を垂れ、目前に迫った巨虫のいきり勃ちを
あろうことか心待ちにしていた。
麗香はSEXが大好きだった。
誘惑すれば大抵の男は言いなりになったし、
顔のイイ男も羽振りの良い男も自由にできた。
中一ではサッカー部のエースを見栄のためにオトし
堕落させ、中二で援助交際により権力を持つ不特定多数の
大人たちをたらしこんで味方に付けた。
同級生も教師も警察官でさえ弱みを握って手を出させず、
まったく世間に徘徊する自分以外のすべての人間が
バカに見え嘲笑していた。
気に入らない女がいれば彼氏を奪っては捨て、
不良グループを使って女を襲わせたりすることも少なくなく、
あるとき彼女に刃向かって教師にチクりをはたらいた
女生徒などは、公衆の便所に連れ込み報復のレイプをした上に
妊娠させ、転校に追いやったこともあった。
その美貌と残虐を武器にして強請り、その男が破滅するまで
貢がせてはバッグやコートにその金を溶かしていく。
家庭を崩壊させられ自殺した者、暴力を背景にむしり尽くされ
ノイローゼになった者、幾分バレても闇から闇で、
指示していた彼女のところまで手は回ることがなかった。
政治家、警察官僚、右翼、闇金、誰であろうと
男は『さが』に逆らうことができないことを知っている。
弱い男には借金させてでも積ませ、弱い女には
無理矢理マンションで客を取らせて逆らえば拷問だ。
家族を巻き込むと脅せば効果は覿面で、
高校ですでに、彼女の口座には1億が転がり、
逆らう者など誰もいなかった。
…人生はチョロい…
麗香の計れない男など、ひとりとしていなかったのだ。
しかし今、眼前のこれ…これは何だ?
づぷりと淫猥な音と共に虫の巨根が捩じ込まれる。
経験したこともないくらい太く長いそれは、
麗香の何倍もあろう体重の重心を結合部一点に架けられ、
発射口が子宮口を押し開くまでに埋づまって止まった。
「ひ、ひ、ヒィィィぃぁあっ!」
裏返った恐怖の悲鳴は掠れて、のしかかるグロテスクに
足をバタつかせながら踵をぶつけて意図せぬ抗議を行う。
しかし、心理状態とは別に、麗香の肉体は狂喜していた。
それほどまでに、虫のペニスは追い求めていた理想の
サイズと形状を有していて、悦びのあまり膣壁が反応している。
姫子の処女宮のような必死にギュウギュウ締めるものでなく、
ペニスの根元とカリの部分を断続的に刺激し、その間を
きつく舐めしゃぶるように動く雌の肉内は恰も別の生き物のよう。
熱い愛液でとろーり濡れた膣肉は、旨そうにイチモツを
もぐもぐ食い締めて離さず、怪虫はあまりのこの“よさ”に
気を失いそうになりながらも、青筋を立てて交尾に没頭した。
「ひぃ! ひっ! いひゅうっ!!」
凄まじい悦楽に全身を支配されているのは怪虫だけではない。
麗香もまた想像を絶する快感に、はばかりもせず奇声を発していた。
「ぁひゃうぅっ! んくっふぅっ、、うっふぅっ!」
とろとろにぬめり色付いた麗香の生殖器官は
まさに肉の食虫植物だ。
激しい前後のピストン運動は次第にメチャクチャなテンポで
彼女の腹の底を掻き回し、へその下がぐにゃぐにゃ踊っていた。
「ぉほぉぅっ! おほぅ! ぅふっうう、、、」
こんなにぐっちゃんぐっちゃんに激しくシェイクさせられた
経験などもちろんないし、いわんや人間を超越したソレである。
もはや昇天寸前でこの交配儀式に抗う力など塵ほどもない。
「イッ、、く! イくふぅッっ! たすけ、、テェッッッ!!!」

がびゅうッッ!!

「----!!!------------------------・・・・」
麗香は絶頂した。
限界を通り越して繋がった激怒する男根の噴出は子宮を直撃し、
その女の聖域へと醜く汚らしい幼虫を『ズドンッ!』と吐き放った。

がびゅっ! がびゅんっ!

煮こごったような「精しょう」が爆出の都度跳ね上がる亀頭とで
麗香の腹を離れて見ていても判るほど断続的に変型させながら、
それを虫は自らの腹で押さえ付け、抱えるように強く抱き締める。
ガッチリと組み合わさって一つと化した二つの躍動が、
脳の指揮下を逸脱し、例えるなら神経狂。びくんびくんと
しなる肉体運動のカタマリに成り下がっている。
子宮の中で幼虫が受胎の悦びににゅるにゅると踊り、
それを実感しながら、麗香は泡を吹き白眼を剥いて放心していた。
ひたすら他人の人生を食い物にしてきた彼女が、
初めて食い物にされる快感を知った瞬間だった。

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